JR東日本のパートナー会社として全国の鉄道電気工事を担う日本電設工業。鉄道以外でもオフィスビルやホテルなどの電気・空調設備から、Suicaや5GなどのICT設備まで、幅広い社会インフラを支えている。その基盤にあるのは高度な技術、そして高度な人材だ。
土屋忠巳 代表取締役社長
テクノロジーに依存する現在の生活や産業にとって、電気と通信のネットワークは欠かせない存在だ。そのための設備を整備する電気工事・ICT工事を日本全国で手掛ける総合設備エンジニアリングの大手、それが日本電設工業(NDK)だ。
鉄道電気工事で日本一
ICT分野でも存在感
同社には大きな事業分野が三つある。鉄道電気工事、そして鉄道以外の一般電気工事と情報通信工事だ。鉄道電気工事分野では日本のリーディングカンパーの座にある。1942年に旧鉄道省の下で設立された鉄道電気工業から発展し、現在はJR東日本のパートナー会社だ。
「当社は鉄道電気設備工事の専門企業として生まれ、日本の鉄道の整備や近代化に携わってきました。JR各社も含めて全国の鉄道事業者さまの安全・安定輸送を支えています」とNDKの土屋忠巳社長は胸を張る。
積み上げてきた高い技術力は、鉄道電気工事部門以外でも発揮されている。オフィスビルやホテル、病院、大学などの電気・空調・衛生設備の工事を担うのが一般電気工事部門で、最近では太陽光・風力発電や省エネ建築のプランニング・ZEB※といった環境・エネルギー分野も手掛ける。
一方、Suicaなどの情報サービスに必要な通信設備の施工を担当するのが情報通信工事部門。IoTなど最先端のICT各領域でソリューションを提供しており、携帯電話基地局の設置といった通信ネットワークの拡充も主要業務の一つだ。
「社会の変化と技術の進化が加速し、成長分野が大きく変わりつつある。そのため、従来からの得意分野をブラッシュアップすることはもちろん、新分野に経営資源を投入して挑戦していくことが急務です」
そう語る土屋社長は、既存の価値観の打破が必要だと考えており、2021年度にスタートした3カ年経営計画では「ニューノーマルに挑む 変革」を副題に掲げた。