英語教育を重視、
必修科目にPBLを導入

叡啓大学
有信睦弘 学長
1976年東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻博士課程修了(工学博士)。東京芝浦電気(現東芝)研究開発センター所長、執行役常務などを経て、2014年に理化学研究所理事、18年4月から東京大学執行役・副学長(21年3月まで)。文部科学省中央教育審議会委員などを務める。

 同大学の特徴は、独特なカリキュラムにある。知識・スキルの「修得」と、学内・学外での「実践」で構成され、前者の「修得」では、SDGsを意識したリベラルアーツを学ぶ。リベラルアーツは、5つのP(Peace平和、Partnership共創、People人間、Prosperity 繁栄、Planet地球)を軸として設定されていて、学生はさまざまな学問分野を横断的に学んでゆくことができる。

 デジタルリテラシーや思考力を向上させるため、ICTやデータサイエンス、ロジカルシンキングなどのスキルを養い、さらに叡啓大学の大きな特徴である実践的な英語教育が施される。

 英語力を重視しているのは、「ダイバーシティーに富む社会で、異なる文化や価値観を有する人と協働し、グローバルに活躍するには英語力が必要」(有信学長)と考えるからだ。入学の出願要件で「CEFR(セファール) B1相当以上の英語力(英検2級合格以上)」が求められ、入学後は授業を英語で受けられるレベルに達するよう、半年間IEP「Intensive English Program(英語集中プログラム)」を受講する。4人に1人が留学生というグローバルな環境も英語力向上を後押しする。文字通り英語のシャワーを浴びる日常で、卒業までに英語力が相当鍛えられることになる。

(左)企業から提供された課題を探究、解決策の提案を行うPBLの授業(必修)を展開する
(右)大学の顔ともいえる空間、新たな社会価値を創造する共創の場「プロジェクトワークスペース」

 そして「実践」では、必修科目として課題解決演習(PBL)をカリキュラムに導入。企業などから提供される課題の原因を探究し、解決策の提案までを行う演習に複数回取り組む。叡啓大学では既に、PBLに協力してくれる企業や自治体、国際機関の80団体とプラットフォームを構築、国内外のインターンシップやボランティア活動にも取り組める体制を築いた。