日本総合住生活(JS)は団地と地域の価値を高めることを目指す

集合住宅管理のパイオニア、URグループの日本総合住生活(JS)が2021年9月1日、2年前に設置した「デジタル化戦略推進室」を廃止し、社長を本部長とする「DXBX戦略本部」を立ち上げた。その狙いや問題意識、DXBXを発展させてどのような将来像を描いているのかなどについて、同社の石渡廣一社長に聞いた。

──デジタル化戦略推進室を廃止し、「DXBX戦略本部」を開設した狙いについて教えてください。

 社会は今、データとデジタル技術の活用によって加速度的に変革が進みつつあります。当社ではこれまでデジタル化戦略推進室を中心にDXに取り組んできましたが、成果はAIOCR×RPAの導入やはんこレス・ペーパーレス化など業務改善レベルにとどまっていました。

 このように少しずつ改善していくようなやり方を続けていては、あっという間に劣位に立たされてしまう。その危機感がDXBX戦略本部を立ち上げた理由です。

日本総合住生活
石渡廣一 代表取締役社長

 DXBXの目的は大きく二つあります。一つは当社の四つの強み、「技術力」「現場力」「対応力」「企画提案力」のさらなる強化。それによって飛躍的に向上した総合力を磨き上げていくことです。

 もう一つは新しい「総合住生活サービス」を創出・展開すること。具体的には、団地を知り尽くしている強みの幅を広げ、「地域の拠点としての団地」と「地域が持っている力」をつなげ、団地と地域の価値を高めるプラットフォーマーとして新たなビジネスの創出と、それを基にした総合住生活サービスの展開を目指します。「総合的、複合的、複層的」な展開が重要なキーワードになるでしょう。

 名称にBXを加えたのは、全ての従業員がDXの先にあるBX(ビジネストランスフォーメーション)を念頭に置き、お客さまの課題を解決するような顧客起点での新しいビジネスの創出に取り組んでいくためです。