若手プロジェクトチームが10年後の業務領域を描く

──実際にはDXBXをどのように進めていくのでしょうか。

 DXBXの概念図のように、右上の「総合住生活サービスの展開」を目指して事業を進めていきます。現在は一番下のデジタル化推進が中心ですが、当社には団地管理からリフォーム、大規模修繕工事まで、膨大なデータの蓄積があるのも強みの一つ。このビッグデータの活用も新ビジネス創出やサービス強化の鍵になると考えています。

 DXBXの推進では今まで以上に対話やコミュニケーションが必要になります。まずはDXBX戦略本部が中心となり、従業員に向けて勉強会や情報発信、そしてDXBXに関する幅広い議論、さまざまなプロジェクトを実施し、DXBXのイメージ・方向性の共有を図りながら企業文化・風土の変革に取り組んでいきます。

──若手を中心としたプロジェクトチーム「JS Upgrade Project」を立ち上げていますが、この目的は?

 20年秋に「JSが2030年にどういう企業になっているべきか」をテーマに社内コンペを開催したところ、前述した総合住生活サービスの創出につながるようなアイデアが数多く出てきたんですね。そこで、コンペで特に優れた提案をしてくれた5人でプロジェクトチームを立ち上げ、10年後の当社の業務領域を描いてもらいました。その未来予測から、団地生活の質の向上に必要な新たな視点として「地域」と「情報」が重要な要素になることが分かりました。

「DXBX戦略本部」を新設。団地と地域の生活の質を向上させる、総合住生活サービスを目指すプロジェクトチームは3段階で「業務、社員、お客様サービス」のアップグレードを提言

 現在はプロジェクトの参加者をさらに社内公募し、メンバーは20人に。総合住生活サービスの創出に向けてグループごとにテーマを決め、ビジネスのアイデアを検討してもらっています。

 こうしたプロジェクトチームの活動を通して社内にDXBXが浸透し、他の従業員の意識改革につながるようなインフルエンサーとしての役割も期待しています。