羽田空港の新飛行経路の運用が始まって、間もなく1年がたとうとしている。運用開始とほぼ同時期に、新型コロナの感染が拡大したものの、今後航空需要は回復していくと予想されている。引き続き、羽田空港は新飛行経路を活用し、日本を代表するハブ空港として、海外からの訪問客を国内各地に送客する重要な役割を果たさなければならない。

 東京国際空港(以下、羽田空港)は、世界水準でも高い評価を獲得している。英国のSKYTRAX社が実施した「2021年国際空港評価」では、アジア空港の総合評価である「Best Airports in Asia」部門で日本の空港として初めて第1位に、空港の総合評価である「World's Best Airports」部門では、3年連続で世界第2位を獲得した。

 羽田空港は、空港の使いやすさや快適性、清潔さなどさまざまな要因が合わさって高評価を獲得しているが、羽田空港の大きな強みの一つは、国内に限っても49空港と結ばれ、1日約500便が飛ぶ「利便性の高さにある」と、国土交通省航空局航空ネットワーク部首都圏空港課の丹呉允(たんごまこと)課長補佐は説明する。

「羽田空港は、首都圏の方々が地方へ行くときはもちろんですが、ビジネスの中心地である首都圏へ来ていただく場合にも便利です。国際線についても、アジアや欧米の主要都市と結ばれており、成田国際空港(以下、成田空港)と共に首都圏から世界へ、世界から首都圏への玄関口としての役割を担っています」