羽田空港機能強化は海外と地方の
往来や物流の選択肢を増やす

ANA  オペレーションサポートセンター
オペレーション企画部  オペレーション戦略チーム  リーダー
曽原倫太郎氏

 コロナ禍が収束に向かうにつれ、ANAでは、旅客の航空利用に変化が起こると予測する。

「今後は地球環境などESGの視点や衛生・非接触・セルフ・パーソナルがよりいっそう求められる」と捉え、「お客さまのニーズに合わせたサービスモデルへの転換を目指し、デジタル化と省人化を進めていきます」という。その中心となる羽田空港は、東京都心に近接し、24時間オープンしている強みの他、「東京と全国各地を結ぶ国内線が充実した日本の航空ネットワークの要」と位置付けている。

 2020年の羽田空港機能強化によって、「強みである都心へのアクセスの良さや豊富な国内線ネットワークといったメリットを最大限生かし、多くのお客さまの幅広いニーズに応えること」が可能となった。また国際線は、「豊富な国内線ネットワークと結び付け、海外と地方のビジネスや観光での往来や物流の選択肢を増やすことで、日本経済の成長や地域の発展、国際交流の活性化に貢献できるものと考えます」。

羽田空港をハブにした日本全国への
経済効果・観光需要増に期待

日本航空  調査研究部  部長代理
細島道博氏

 日本航空では、コロナ禍によって減便した旅客が、2021年10月以降、回復基調にあると考えている。国際線については、出入国規制の緩和が劇的には進まないと想定しながらも「国内線については、旅客数ベースで第4四半期はコロナ前比90%を見込んでいます」。

 オンライン会議の利用が急速に広がりビジネス客の需要減が予想される中、「働き方の多様化により、ワーケーションや2地域居住などの新しい働き方を選択されるお客さまも増えてくると考えており、そうしたニーズに合致した商品を提供していく」考えだ。

 羽田空港の機能拡張は顧客に大きなメリットをもたらしている。「発着枠が拡大したことにより国際線の大幅な増便が実現し、当社国際線は1日12便増の計34便の運航が可能となりました。新規路線開設により国際線旅客や貨物が増えるだけでなく、国内線への乗り継ぎ利便性が向上します。羽田空港をハブに日本全国への経済効果・観光需要増が期待できます」。

●問い合わせ先
国土交通省 「羽田空港のこれから」
TEL:0570-001-596
(受付時間7:00~20:00、土日祝含む。
ナビダイヤルに接続できない場合は 050-3655-5960)

この記事は2021年11月初旬の取材に基づいて掲載しています。