吸う人にも、吸わない人にも役立つ防災情報ステーションに
田中洋平 課長
JTの田中課長は、プラス・アーツの活動について、「イベントだけでなく、イラストをふんだんに使った防災関連の書籍やグッズを手掛けるなど、身近に感じにくい防災の知識を、つい知りたくなる知識に変えるクリエーティブの力に感銘を受けました」と語る。
永田理事長との対話を通じて、防災は、いろいろな人が自分たちのできる範囲で取り組むのが大切であることや、正しい知識さえ身につけておけば、いざというときに役立つことなど、さまざまなアドバイスを受けることができたという。
そうしたプラス・アーツの知見やクリエーティブの力と、JTが喫煙所の企画・設置で培ったノウハウを融合させることで、少しずつ「防災喫煙所イツモモシモステーション」のアイデアが固まり始めている。
例えば、「災害時帰宅支援×情報拠点ステーション」としての活用。公共交通機関がストップし、帰宅困難になった人のために、ソーラーパネルの電源でテレビ中継が表示されるデジタルサイネージ、配布用のエマージェンシーブランケット、レンタルモバイルバッテリー、災害対応自販機などを備えた喫煙所である。
あるいは、仮設救護スペースや救出・救護用具を設置し、その使用方法を壁面に展示する「災害時共助ステーション」なども考えられる。
災害時だけでなく、平時から防災の知識や情報を伝える「防災情報ステーション」として機能させるアイデアもある。「普段は、たばこを吸う人だけが喫煙所を利用するので、内側には消火の知識など防災に役立つ情報を展示することで、喫煙しながら防災に興味を持ってもらいたいと考えています。また、たばこを吸わない人にも平時から防災機能があると知っていただくことが重要ですので、コピーライターの岡本欣也さんやアートディレクターの寄藤文平さん、デザイナーの石井洋二さんといった第一線で活躍するクリエーターの皆さんと一緒にこれまでの喫煙所とは異なるデザインにしていきたいです」と永田理事長は語る。
こうしたアイデアを、地域のニーズや立地特性などに応じて組み合わせ、屋外喫煙所を設置する自治体や民間企業などに提案していく予定だ。
田中課長は「2022年中には、少なくとも全国で数カ所の『防災喫煙所イツモモシモステーション』を設置することを目指しています。そして、『防災喫煙所イツモモシモステーション』のコンセプトに興味を持っていただき、他の企業にも同じような取り組みが広がっていけば、より社会や地域への貢献につながります。そのきっかけづくりとして、まずは、なるべく多くの方に『防災喫煙所イツモモシモステーション』を知っていただきたいです。また防災に限らず、地域の課題解決に貢献できるよう、さまざまな企業・団体と共創していきます」と意気込みを語る。
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