ニーズに基づく
安定生産・消費を実現

「ブルーマーケット」は特徴的な機能を大きく三つ備えている。一つ目は、栽培情報を可視化していること。誠和が開発した環境モニタリング装置「プロファインダー」で収集する栽培ハウス内の環境と作物の生育状態・使用農薬などの情報を、販売の場でも積極的にオープンにして、“顔もデータも見える野菜”として新しい価値を創造していくことに取り組んでいる。

 二つ目は、購入者のニーズに基づいた栽培・生産を行う”需要主導型の相互取引機能”を設けていること。通常の単発契約に加えて、購入者が一定期間での安定購買を要望・約束することで、ニーズに基づく安定生産と安定消費を実現する。また、気象データやPOSデータの相関から需要予測を行い、無駄のない流通を実現することも目指している。

 三つ目は、産地情報や出荷経路を可視化するトレーサビリティー機能を設けること。この取り組みは流通経路の可視化につながり、消費者には鮮度維持を、流通業者にはフードマイレージ(食料の輸送距離)の削減効果をもたらすことを目標とする。さらに、生産と実需の現場におけるSDGsへの取り組みをスコアリングする機能も設けている。このスコアは売買先選択の新しい基準となり、SDGsの意識の醸成や取り組みを推進していくことにもつながる。

 誠和では、これら「ブルーマーケット」の機能を拡充するために、日本トレースブルー、明治大学野菜園芸学研究室、Sola、ユニシステム、日本気象協会(eco×ロジプロジェクト)などとパートナーシップを組んでいる。