顧客満足度が向上し、スタッフのストレスも軽減

 LINEミニアプリを導入することで、具体的にはどのような効果があるのか。例えば冒頭で紹介したように、順番待ちを導入したことで、キャンセル率が改善した飲食店なども多くある。

順番待ちのLINEミニアプリの導入でキャンセルが大幅に減った(出典:2021年11月開催「LINE LOCAL DAY 2021」)

 また、順番待ちだけでなく、店舗に有用な他の機能も好評だ。同じくミニアプリ事業企画室  Growth企画チーム マネージャーの武藤ウォーレン道夫氏は「店内モバイルオーダーのLINEミニアプリを導入した居酒屋では、運営オペレーション効率化による顧客満足度の向上、客単価の向上、人件費の削減といった3点を評価いただいています。他にもこれまで利用していた別の会員証アプリを、会員証機能を持つLINEミニアプリに置き換えたヘアサロンでは、案内時間が1/3に短縮され、お客さまが楽に使えるようになっただけでなく、店舗スタッフもストレスフリーになったそうです」と言う。

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ミニアプリ事業企画室 Growth企画チームマネージャー
武藤ウォーレン道夫氏

デジタルマーケティングファームを経て、LINEに入社。B2B経営企画室新規事業開発チームを経て、現職。

LINE公式アカウントとの併用で
広告費を削減したのにリピート率が増加

 またLINEミニアプリは、LINE公式アカウントとの併用で効果を出している点に注目したい。ちなみにこのLINE公式アカウントは知っている人も多いと思うが、LINEで家族や友だちとコミュニケーションを取るのと同じように、会社やお店が日常に溶け込みながら顧客にメッセージを発信できるサービス(無料プランから利用可能)だ。

 もちろんLINEミニアプリ自体にも通知機能があるが、自社のLINE公式アカウントを開設すると、来店後にユーザーとの関係強化を図れる。具体的にはLINEミニアプリの初回起動時に、LINE公式アカウントへとスムーズに誘導できるため、「自然に」友だち追加してもらいやすくなるのだ。その結果、LINEミニアプリ導入後、自社のLINE公式アカウントの友だち数も大幅に増えている店舗が多い。

 そして、LINE公式アカウントから来店のお礼メッセージやサービスの案内を後日送ると、メッセージが開封される。トーク画面に表示される各種メニューからの予約や問い合わせも増えるので、リピート率が上がり、ウェブ広告費などの削減にもつながるというわけだ。

LINE公式アカウントの友だちが増えたことで、リピート率が上がった事例。8割がグルメサイト経由だった予約も、半分がLINE公式アカウント経由になり、広告費削減につながった(出典:2022年2月開催「事例とデモで学ぶLINEミニアプリ活用セミナー」 )
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最短約1カ月でサービスを開始できるパッケージ

 実際に順番待ちや店内モバイルオーダーのLINEミニアプリを導入するには、大きく二つの方法がある。自社の要望に合わせて一から開発する「個別開発」と、特定の機能をすぐに、簡易に導入できる「パッケージ」だ。LINEマーケットプレイスには開発企業が提供するパッケージが並んでおり、そこから自社に合ったLINEミニアプリを探せる。なお、同サイトに掲載されているのはLINEミニアプリの豊富な開発・提供実績がある企業で、各パッケージの特徴や価格のほか、LINEミニアプリのお役立ち資料も無料ダウンロードできる。

LINEマーケットプレイスでLINEミニアプリのパッケージ一覧を確認できる。機能や予算での絞り込みも可能だ
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「さまざまなパッケージを提供していますから、お客さまが解決したい課題や、大体の予算感などがわかれば、LINEマーケットプレイス上で絞り込み機能が使えます」と、ミニアプリ事業企画室 Growth企画チームの大瀧勉氏は言う。

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ミニアプリ事業企画室 Growth企画チーム
大瀧 勉氏

LINEミニアプリの事業開発組織で、主にSMBを中心にサービス企画や導入支援を行う。

 例えば店内モバイルオーダー(テーブルオーダー)では、スモールスタートで効果が見たいという会社や店舗向けに無償で始められるパッケージもある。一方、LINEミニアプリで得られた顧客データを活用して、今後のマーケティングにも活用したい場合は、ある程度の初期費用や月額利用料はかかるが、各種連携・分析ツールなども備えたパッケージが良いだろう。

「いずれのパッケージも、利用に当たっては開発企業経由でのエントリー申請や各種審査が発生します。また、お店側には、管理画面内で自社のメニュー画像登録などのカスタマイズや、店舗でPOPやQRコードを掲出してお客さまへの周知を進めていただくと、LINEミニアプリの利用が促進されるでしょう。これらを踏まえて、開発企業へのお問い合わせ・申し込みからサービス開始まで、約1カ月程度を目安としていただければと思います」(大瀧氏)