ServiceNow は「企業版Amazon」

 ServiceNowは幅広い業種の多くの企業で導入が進んでいる。一部を下記で紹介する。

●横河電機:ITOM/SecOpsの導入

 導入以前、同社では監視システムが外部からの脅威(インシデント)を自動検知する仕組みを構築していた。しかしエンジニアへの対処要請はメールで行われており、各国拠点が個別に導入するIT機器・ソフトウエアなどの資産状況も把握できていなかった。

 そこでServiceNowの「ITOM(IT Operations Management)」導入により、一元化された全拠点のIT資産情報を基にインシデントの影響範囲を把握して対応するインシデント対応ワークフローを確立。既知の脅威については同じくServiceNowの「SecOps(Security Operations)」を使い、アラートが出ると外部からの通信が自動ブロックされる仕組みを構築した。

「これによりグループ全体で3万5000のIT資産をグローバルで可視化。インシデント解決の優先順位付けにより30%の業務効率化が達成されました。また1〜3週間必要だった脅威検知後の対応が1分前後で完了できるようになりました」(牛田氏)

●アクティオ:Customer Service Managementの導入

 同社は、顧客である建設現場へタイムリーな建設機器レンタル(手配・引き上げなど)を提供できるウェブ注文サービスを構築した。具体的には顧客が「注文」ボタンを押したら同社営業担当者に通知が届き、注文内容に関する確認・コンサルティングができるという仕組みだ。しかし開発に当たっては、開発スピードを上げるためノーコード、ローコードのソリューションを選択する必要があった。

「そこで同社はそのサービス基盤にServiceNowの『Customer Service Management』を採用。選定ユーザーから問い合わせを受けると、自動的に対応する営業担当者を任命し、通知を送るデジタルワークフロー機能を搭載しました。導入にかかった期間はわずか3カ月程度。現在同サービスを利用する建設現場数は2000に達しています」(牛田氏)

●第一生命保険:Now Platform/App Engineの導入

 同社はオンプレミスのグループウエアを活用していたが、社内で「情報・システムにすぐにアクセスできるグループウエアへの刷新」「ビジネスニーズの変化に応じて柔軟に拡張できる基盤への置き換え」などのニーズが頻出。そこでServiceNowの「Now Platform」を基盤とするグループウエアに刷新した。

「Now Platform導入で、グループウエアのアプリを移行するシステム開発の工数・期間が大幅に短縮され、コストも3分の1程度まで圧縮しています。ノーコード、ローコードでの開発も可能となりました。またServiceNowの『App Engine』を使って開発したシステムは、同社の社員から高い評価を集めていると聞いています」(牛田氏)

 このように、日常的に発生するワークフローをデジタル化することによって、大幅に業務エクスペリエンスを上げることができる。牛田氏は、自社のサービスを「言うなればServiceNow は“企業版Amazon”」と述べる。

「われわれは、業務上の作業が、現在の日常生活と同じように行われるべきだと考えます。ご存じの通りアマゾンは『使いやすい』『いつでもどこでも』『幅広い商材提供』という特徴を持つ小売りの統合プラットフォームです。そこでは通常のネットショップの他にも、独自サービスやマーケットプレイスが連携されています。

 これをServiceNowに置き換えるならば、ServiceNowとは『使いやすい』『いつでもどこでも』『幅広い業務サービス提供』をかなえる業務の統合プラットフォームです。SaaSやPaaS、サードパーティーとの連携で、あらゆる業務サービスの統合を行えるようになります。

 不確実性の高い今、変化に強い新たな仕組みが必要となっています。顧客、ビジネスパートナー、そして従業員に提供している業務を『サービスとして再定義』するとともに、業務を円滑に回すプラットフォームを導入してみてはいかがでしょうか」

●問い合わせ先
ServiceNow Japan
URL:https://www.servicenow.co.jp/