1万5000人が集う、
刺激に満ちたキャンパス
──創立50周年を迎えた15年に、30年をターゲットにした中長期事業計画「神山(こうやま)STYLE2030」を発表されました。その進捗はいかがでしょう。
黒坂 15年計画の最初の5年を終え、おおむね土台づくりができたと考えています。
19年には国際関係学部、生命科学部を設置、経営学部の学科を再編するなどし、文系、理系の幅広い学問領域をカバーする10学部体制が整いました。22年には新しい本館の完成を控えており、一連のキャンパス再整備も完了します。学生一人一人の学修履歴を統合するデータベース構築など、教育DXにも注力しており、ハード・ソフトの両面で、Society 5.0を見据えた教育・教育環境を整備することができました。
──10学部が同一キャンパスに集まる大学は珍しいですね。
黒坂 1万5000人の学生、10学部の学び、多分野にわたる研究施設と研究者が一つのキャンパスを共有していることは、本学ならではの魅力です。学修活動でも、クラブ・サークル活動でも、専門を異にする学生たちが自然に混じり合いますから、視野も広がりますし、面白い化学反応も起こります。
PBL系の科目で、企業から与えられたリアルなビジネス課題に取り組む場合も、経営学、生命科学、情報学、社会学……といった多様な知見をクロスさせたイノベーティブな解が生まれやすくなります。
──分野を横断した学際的な研究も展開しやすいですね。
*丸善出版『理科年表 2022(机上版)-国立天文台編』による
黒坂 はい。学内には、世界問題研究所、タンパク質動態研究所、先端科学技術研究所など、専門性の高い六つの研究所があり、さまざまな研究に精力的に取り組んでいます。研究活動のコーディネートやサポートを行う機関として「研究推進センター」も設置しており、企業や研究組織と連携した共同研究や受託研究も活発です。
また、本学のシンボルである「神山天文台」では、JAXA(ジャクサ)やNASA(ナサ)と連携した宇宙探査、研究活動を進めています。一方で、一般の方に向けた「天体観望会」や「天文学講座」も開いており、開かれた理科教育の一端を担っています。