経営トップは8割の力を人材採用に割くべき
多田 今回の公募では、高木専務理事が自ら「組織戦略責任者」を選考されるとうかがっています。トップ自身が直接採用に関わるというのは、グループや会社の成長に責任を負う立場として当然のことだと思います。
企業の成長の源泉はなんと言っても「人」です。不確実性の高い現代においては特に、優秀な人材をどれだけ集められるかどうかが企業成長の鍵となります。
人材獲得競争が激化する中、少しずつ変わり始めていますが、まだまだ人事部門が採用活動を行う企業様が大半です。「本当に欲しい人材」は経営者や各事業部門の長が直接見つけ出し、自らアプローチするのが理想的な姿だといえます。
またビズリーチは、企業が必要としている人材を採用するために、あらゆる手段を主体的に考え、能動的に実行する採用活動「ダイレクトリクルーティング」を推進し、企業様が国内最大級の即戦力人材データベースで、152万人以上の即戦力人材に直接アプローチできる機会を提供しています。
高木 非常に頼もしいサービスだと思います。今回は公募を行いますが、場合によってはデータベースから直接スカウトすることができるのもありがたいですね。
ところで多田社長も、ビズリーチの代表取締役社長を務めながら、自社で採用する人材の「ダイレクトリクルーティング」を自ら行っているそうですね。
多田 これはビズリーチの文化でして、創業時から大切にしている「事業づくりは仲間づくり」という価値観があります。私も創業者に採用を託され、営業部長時代にも長らく採用担当を兼務してきました。これは現場を率いるトップやリーダーこそが自ら採用に責任を持つべきだという考え方からです。
週に2回はリクルーティングタイムを設けて直接スカウトを送っていますし、一次面接から対応を行っています。
当社のリサーチでも、人材採用に対するトップのコミットメントが強い会社は、成長性も高いことが明らかになっています。
高木 私も、経営トップは本来、8割の力を人材の採用や育成に割くべきだと思っています。今回の公募では、その手助けをしてくれる責任者をぜひとも迎え入れたい。どんな人材が応募してくるのか、とても楽しみです。
最後に、リクルーティングの先輩として、選考のヒントがあれば教えてもらえますか。
多田 成長を担う組織の人材を集める重要なポジションですので、先ほど高木専務理事がおっしゃったように、先入観や印象に惑わされない選び方が大切だと思います。
あらかじめ「理想とする人材像」をいくつか類型化し、それぞれに当てはまる複数の候補者と面接してみてはどうでしょうか。一つの類型だけだと、どうしてもバイアスがかかってしまうものですが、複数の類型で選考すると客観的に見ることができます。さらに、類型ごとに複数の候補者と話をすることで、それぞれの人物像の解像度も上がり、印象だけで選んでしまう失敗を避けられるはずです。
高木 なるほど。貴重なアドバイスをありがとうございます。
多田 こちらこそ本日はありがとうございました。素晴らしい出会いがあることをお祈りしています。