不確実性を取り除き、勇気と自信を持って挑戦する
――企業は、引き続き不確実性が高まる中で、社会課題の解決と経済価値の創出を両立させるといった新たなチャレンジに直面しており、経営のアップデートは待ったなしの状況です。
岩村 企業にとってデータ活用の高度化が必須となる中で、気を付けなければいけないのは、データはあくまでも経営判断を下すための手段、あるいは材料の一つにすぎないということです。変革を実現するには、データと同じぐらい、データを見てどう判断するか、どのような洞察を導き出すかという専門性やアートが大事だと思います。
企業の経営層には、データに惑わされることなく、適切にマネージして、データをうまく活用できるようになっていただきたい。私自身も同じ経営者として、切にそう願っています。
神津 リスクの語源はラテン語の「Risicare(リシカーレ)」で、本来は「勇気を持って挑戦する」という意味だそうです。
一方、アナリティクスとは、「過去のパターンや傾向から将来を予測し、選択の範囲を絞って、意思決定の最適化を図ること」だと私は解釈しています。ですから、リスクマネジメントとアナリティクスを掛け合わせることで、組織のリーダーは勇気と自信を持って挑戦できるようになる。そこに本質的な価値があるのではないかと考えています。
岩村 リスクマネジメントというと「守り」をイメージする人が多いですが、本来は不確実性やボラティリティー(変動性)が高まる状況で最適な意思決定をどう行うかということであり、それは経営そのものだと考えています。
最適な意思決定のためには、守るだけでなく、リスクテークという「攻め」が求められます。例えば、ビジネスモデルの転換などは攻めのリスクマネジメントの典型例ですが、その決断には大きな勇気が必要です。アナリティクスも活用しながら、決断に伴う不確実性を一つ一つ取り除き、経営者が自信を持って意思決定できるようにすることが、われわれリスクアドバイザリーチームの使命だと考えています。
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