DXハイエンド人材が集まる人材データベースを構築

 同社の人材データベースには、コンサルファームで働くコンサルタントの4人に1人が登録しており、コンサルファーム在籍者の登録者数では国内最大級(※)。DXコンサル人材のプールも国内最大級となっている。

 この10年、コンサルファームのプロジェクトの約7割はDXに関連する案件と言われており、それ故に、コンサルタントの転職・独立を支援している同社の人材データベースの登録者も必然的にDXコンサルの経験を積んだ人材が多くなっているというわけだ。

 多くの現役コンサルタントから選ばれている理由はどこにあるのだろうか。

「当社では、コンサルタントのライフ・タイム・バリュー(LTV)向上に中長期的に取り組んでいます。フォロー期間が長くなるほどハイエンド人材となり、活躍と成長の機会が広がっていきます。コンサルタントから見ても転職ではなくキャリアの伴走者として信頼いただいています」

 例えば、02年の創業当初、山尾社長がコンサルファームから別のコンサルファームへの転職を支援したA氏は、その後再び同社を通して別のコンサルファームにエグゼクティブとして転職した。今は独立し、フリーコンサルタントとして同社のプロジェクトに携わっている。20年近くに及ぶこのようなキャリアの継続的なフォローがコンサルタントからの信頼感を高めているのだ。

 同社経由でコンサルファームに転職したコンサルタントの多くは、プロジェクトマネジャーとして入社するため、プロジェクトに最適な人材が足りない場合は同社に登録しているフリーコンサルタントを活用するケースもある。さらに、独立したコンサルタントや企業に何かしらの執行責任者(CxO)として転職したコンサルタントから同社への案件(求人・プロジェクト)依頼も多い。

 このように独自のシステムが確立されていることも、多くのコンサルタントから信頼を得ている証しといえる。

正社員人材紹介とフリーコンサルの複合サービスを提供

 同社ではこうした人材データベースを基に、正社員人材紹介とフリーコンサルの複合サービスを展開している。

「具体的には、採用相談をする中で、課題やニーズをヒアリングし、正社員雇用とフリーコンサルタントによるプロジェクトのどちらが適切なのかを判断、最適な方法・人材を提案しています。例えば、『DX推進室を立ち上げたい』『デジタルビジネス開発プロジェクトのマネジメントを任せられる人材が不足している』『ハイエンド人材を正社員で雇う余裕がない』といった場合はフリーコンサルタントの活用も選択肢になるでしょう。次のステップでは、新規事業を定着させるマネジャーとして正社員を採用することも考えられます。このようにDXの推進段階に応じた人材活用によって時間や費用を大幅に削減することができます」

※コンサルティングファームのコンサルタント数を基にアクシスコンサルティングが試算。