防災、アウトドア、SDGsなど多様な使い道。日本独自の進化を始めたポータブル電源とソーラーパネルの新しい潮流

停電時に役立つ防災グッズとして近年注目を集めているのが、扇風機や冷蔵庫などの家電にも給電できるポータブル電源だ。AC出力を備えており、モバイルバッテリーよりも大容量で長時間利用でき、発電機よりも環境に優しい。さらに太陽光で充電できるソーラーパネルと組み合わせれば、節電の効果も期待できる。今、このポータブル電源の日常使いが広がっている。このポータブル電源とソーラーパネルが人気のJackery (ジャクリ)Japanの代表取締役、水嶋雅貴氏に話を聞いた。

災害の多い日本で人気急上昇中のポータブル電源とソーラーパネル

 現代の生活は電気なしでは考えられないが、世界的なエネルギー価格の高騰や円安も相まって、電気料金の値上げが続いている状況だ。また、地震や台風といった自然災害による停電も少なくない。2022年3月には福島県沖の地震の影響で火力発電所の一部が停止したことが原因で、東日本の電力需給がひっ迫、節電の協力が要請されたことも記憶に新しい。

 電力供給に不安がある中、いざというときの電源として非常に役立つのがポータブル電源だ。リチウムイオン充電池を内蔵したポータブル電源は、スマートフォンの充電用として普及しているモバイルバッテリーに比べて大容量で高出力。長時間利用できるだけでなく、出力端子としてUSBのほかにACコンセントを備えており、ライトや扇風機など一般的な家電への給電にも使える。

便利でエコな電源を日常使いで。法人利用も広がる

 さらにそういった商品とセットで販売されているソーラーパネルは、広げて設置、太陽光を利用して発電できる。折り畳み可能なので、持ち運びも簡単で、災害時だけでなく、日々の暮らしで利用できる。月々の電気代の削減や、二酸化炭素の排出量を減らしたクリーンなエネルギーを使用するエコロジーな生活を実現できると人気が高まっているのだ。身近なところから再生可能エネルギーを取り入れることは、SDGs実現に取り組む社会の要請ともマッチする。

 このような大容量ポータブル電源やソーラーパネルの人気をけん引するのが、Jackeryである。Jackeryの製品はAmazonや楽天のランキングで上位を占めることも多い。目を引く黒とオレンジのおしゃれなデザインを見たことがある人もいるだろう。

 緊急時の非常用電源として持っていれば安心感があるが、Jackeryは日常的にも活用することを想定し、さまざまな利用シーンを提案している。

「アウトドアでも調理家電やドライヤーが使えた」
「DIYの際に室内では騒音で近所迷惑なので、屋外で電動工具を使った」
「スポーツチームで、ピッチングマシンに利用」
「万が一に備えて、会社で数セット購入し屋上で充電している」

 など、利用者から寄せられたさまざまな活用例をSNSで発信・拡散し、ポータブル電源の可能性を啓蒙している。

「当社のポータブル電源は、自然放電が少なく3カ月くらい使わなくても80%程度の容量は残っているので安心です。ですが、日常的に使っていただいた方が製品寿命も延びますので、ぜひいろいろ活用していただきたいです。晴れた日中に太陽光で充電し夜間に使用する、また夜間に電気料金が安くなるプランを契約して夜に充電し昼間使うなどすれば節電にもなります」(水嶋氏)

防災、アウトドア、SDGsなど多様な使い道。日本独自の進化を始めたポータブル電源とソーラーパネルの新しい潮流Jackery Japan代表取締役 水嶋雅貴氏