日本市場では太陽光発電を軸にさらに飛躍

 ポータブル電源開発企業として世界的に知られるJackeryは、12年に米国で誕生した。Jackeryというブランド名はJacketとBatteryを組み合わせた造語で、身に着けるようなカジュアルさで電源を持ち出して使えるようにしたいという思いから名付けられた。18年にポータブル電源に給電できるソーラーパネルを発売開始し、アウトドアでの需要を背景に成長し、トップクラスのシェアを誇るまでに成長した企業だ。

防災、アウトドア、SDGsなど多様な使い道。日本独自の進化を始めたポータブル電源とソーラーパネルの新しい潮流2022年5月13日に発売されたばかりの「Jackery Solar Generator 2000 Pro」。ポータブル電源2000proとソーラーパネルJackery SolarSaga 200のセットで、2200Wの高出力(一般的な家庭用電化製品ほぼ全てを使用可能)。最大1500Wの充電に対応し、AC急速充電、最速2時間でのフル充電が可能だ

 日本法人が誕生したのは19年。アウトドアはもちろん防災での需要が高く、ポータブル電源のリーディングカンパニーとして認知されつつある。20年から同社の代表取締役を務める水嶋雅貴氏は、商習慣や行政ルールの異なる国でグローバル企業がサービスを提供するにあたって、その国のニーズを把握している現地法人の役割は大きいと話す。

「日本では災害時における太陽光発電(SolarGenerator)のニーズが高く、その分野への転身を進めました」

 さらに同社の製品はAmazon、楽天市場、PayPayモール、公式オンラインストアといったネット販売が中心だが、日本では電話での対応や実店舗での販売を求める声も多い。

「メールだけではサポートが不十分だと考えて、立ち上げ当初から電話窓口を用意しました。最初は社員も少なく電話に追われることもありましたが、お客さまの声が一番重要だというのが当社のポリシーです。昨年からは家電量販店やアウトドアショップなど、実店舗での販売も開始し、購入前のご相談やアフターサービスを充実させています。また、いただいた声を、開発やサービス、販促などにフィードバックしています」

 その成果が前述のランキングであり、「Amazon.co.jp 出品者アワード2021」におけるイノベーティブブランド賞につながっている。