データ更新の即時性を高めるため、UiPathのRPAソリューションを導入
デジタル地図用コンテンツは、建物や住所などの情報が、常に最新のデータに更新されるのも大きな特徴である。
「現実の建物や道路はどんどん変わり続けているので、それに合わせて頻度高くアップデートしなければ、使える地図にはなりません。同じように、当社がメタバース用に提供するコンテンツも、常に最新の状態に更新され続けます」(杉原氏)
例えば、メタバース上で災害救援のシミュレーションをするにしても、現実世界と建物や道路の位置が違っていたら、全く使い物にならない。常に最新の状態に更新される同社のコンテンツが、いかに価値の高いものであるかが分かるだろう。
ジオテクノロジーズは、このコンテンツ更新の即時性をさらに高めるために、最先端のRPAを導入した。主に人手で行っていた作業をロボットが代行することで、より速くコンテンツを更新できるようにしたのである。
同社が採用したのは、エンタープライズ自動化ソフトウエアのリーディングカンパニーとして知られるUiPath(ユーアイパス)のRPAソリューションである。
UiPathは、ルーマニア出身のダニエル・ディネス氏が05年に創業し、RPAをはじめとする自動化ソリューションをグローバルに提供しているIT企業だ。現在はニューヨークに本社を置き、21年4月、ニューヨーク証券取引所に株式上場を果たしている。
17年2月には、日本法人を設立。金融機関や製造業、流通業、自治体など、幅広い業種、業態向けにソリューションを提供している。
「国内では各業界のリーディングカンパニーにご採用いただいており、豊富な導入実績を有しています。全世界での導入企業数は1万社を超えており、日本はもちろん、世界でもトップクラスのシェアを誇っています」と語るのは、UiPath取締役 最高収益責任者の鈴木正敏氏である。
取締役 最高収益責任者 鈴木正敏氏
ジオテクノロジーズが数ある選択肢の中からUiPathのRPAソリューションを選んだのは、技術力の高さに加え、幅広い業界で多様な業務の自動化を実現した事例を持っているからである。
「当社のRPAは、経理や人事、購買、サプライチェーン管理など、幅広い業務にご利用いただいており、業務ごとの特性に合わせて最適なソリューションを提供しています。デジタル地図データの更新というのは、これまでに手掛けたことのない業務でしたが、さまざまな業務の自動化を実現してきた技術とノウハウによって、必ずご期待に沿えるソリューションが提供できるという自信を持っていました」と鈴木氏は語る。
ジオテクノロジーズは、UiPathが単に業務を自動化するだけでなく、非効率をもたらしている業務を洗い出すプロセスマイニング(業務の見える化)や、RPAとAIを組み合わせて、より効率的な自動化ソリューションを提供できる点も高く評価した。
「特にProcess Miningについては、業務の在り方を根本的に変革できるツールとして、既に導入済みの多くの企業様からも好評をいただいております。このような自動化にかかわる製品群を一気通貫で提供しているのがUiPathの大きな強みです」(鈴木氏)
また、「ニューヨーク証券取引所に株式上場していて財務基盤もしっかりしていること、高いシェアと豊富な実績を持っているので、長くお付き合いできるだろうと確信しました。加えて、グローバルのCEOのダニエル・ディネス氏が日本を優先市場としてフォーカスすると発言していたことも導入の決め手となりました。単なる業務効率化だけでなく、『メタバースのリーディングカンパニーになる』という壮大な計画のために導入するので、長く面倒を見てくれる会社でなければならないと決めていたからです」と杉原氏は語る。