古河スカイと住友軽金属工業が経営統合して2013年に発足したUACJ。世界トップクラスのアルミニウム総合メーカーとして、同社が目指しているのは、アルミニウムを究めて環境負荷を減らし“軽やかな世界”をつくること。気候変動問題に関心が高い、俳優で気象予報士である石原良純氏(以下、良純)が、石原美幸社長(以下、社長)にアルミニウムの魅力と環境への取り組みを聞いた。

アルミニウムで環境負荷を低減。“軽やかな世界”をつくる

良純 UACJは総合アルミニウムメーカーということですが、具体的にどのような事業を展開されているのですか。

社長 主力はアルミ圧延事業です。ボーキサイトから作られるアルミ地金を輸入して圧延し、アルミニウム板を作ります。販売数量は約130万トン、国内シェアは約50%で、世界でも3~4位グループです。良純さんは、アルミニウムというと何を思い浮かべますか?

良純 ジュースの缶ですね。子どもの頃、ある時期からジュースの缶が鉄からアルミに変わったのを覚えています。軽いけれど頑丈で、子ども心ながらに不思議に思っていました。

社長 アルミニウムは金属なので強度があります。熱をよく伝え、光を反射して、さびにくい、毒性がない、加工しやすいなどの利点があります。日本でアルミニウムが広く普及したのは缶ビール。短時間で冷やすことができる点や、輸送時に軽量な点が、省エネルギーにつながるのです。

良純 僕は鉄道好きなのですが、車両が鉄からアルミに変わっていく時代も見てきました。

社長 今アルミニウムは、軽量性を生かして自動車や鉄道など、モビリティ分野に活用されることが増えています。その他、放熱性や光沢性を生かしてIT機器や電池に、またアルミホイル、薬包や金属バットなど、さまざまな面で私たちの暮らしを支えています。