立正大学の付属校として、日蓮聖人の教えに基づいた「行学二道」を実践する。学びの核となっているのは、社会で活躍できる素養を育む「R-プログラム」。キャリアデザイン教育も充実し、付属校でありながら他大学を受験する生徒が多く、近年は進学実績も伸びている。
大場一人校長
立正中高では2013年から、独自の未来志向型の学習プログラム「R-プログラム」を実施している。これは、Research(自ら進んで調べる力)、Read(主張や要点を読み取る力)、Report(意思や結果を正確に伝える力)の三つのスキルを伸ばし、社会で必要とされる思考力や表現力、探究力を育成していくものだ。
その「R-プログラム」の中心となるのが、毎朝20分間のショートホームルーム(SHR)を活用した「コラムリーディング」と「1分間スピーチ」。新聞の社説や雑誌のコラムなどを5分間で読んで理解し、5分間で自分の意見を200字以内にまとめ、その意見を1分間でみんなの前で発表する。中1では身近なテーマのコラムを取り上げるが、学年が上がるにつれてテーマはより社会的・時事的なものへと難易度を上げ、表・グラフなどを用いたデータ分析が加わり、3分間スピーチ、グループディスカッション、ディベートへと進化する。
さらに「R-プログラム」では、読書の動機付けとして、個人とクラス対抗で読書量を競う「リーディングマラソン」を実施。中学生には感想記入欄のある「読書ノート」を配布し、考えながら読む習慣を身に付けさせている。
全ての学力の根幹となる
「国語力」を伸ばす
この「R-プログラム」の効用について、大場一人校長は「学力の根幹は国語力であり、日本語における“読む・書く・聞く・話す”の力を習得することは、教育の大前提だと考えています。国語力がなければ、例えば英語の長文も読解できず、英語でのスピーチもできません。三つのRを伸ばすことは、全ての教科の学習に役立ち、論理性や表現力を重視する新しい大学入試にも対応し、社会へ出て活躍するための素養になると考えています」と話す。