国際生が多く在籍し多様性あふれる環境が特徴の啓明学園。東京・昭島市にある3万坪の敷地で、幼稚園から高等学校までの一貫教育を実践している。近年は、科学的思考力を育成するため、サイエンス教育にも力を入れている。今年度は新校長が就任し、新たなスタートを切った。
啓明学園中学校高等学校
北原都美子 理事長
北原都美子 理事長
啓明学園は1940年に帰国生のために設立された伝統校であり、帰国生教育のパイオニアとして知られている。40以上の国・地域から生徒を受け入れており、国際生(帰国生・外国籍・国内インター出身者)の割合は学年全体の30%に及ぶ。同校はラウンドスクエア加盟校で、海外協定大学推薦制度(UPAA)も締結、独自の海外研修・留学プログラムも充実している。
語学に関しては生徒一人一人の言語や文化を尊重し、英語圏以外の国際生のために、フランス語やドイツ語、中国語やスペイン語などの授業が実施され、日本語が第1言語ではない生徒のために、オーストラリアの日本語学校の教員がオンラインで日本語教育も行っている。
さらに今年度から英語教育に、ICTを利用する「College Pathway」を導入。生徒の英語力のレベルに合わせた、よりきめ細かな対応ができる体制を整えた。
国際生は一般生と同じホームルームクラスに在籍、必要に応じて取り出し授業を受ける
世界50カ国のラウンドスクエア加盟校と交流がある啓明学園。オンラインで国際会議も行われている
「いろいろな国や地域を経験している国際生と、日本で育った一般生が、日常生活や行事で関わり合うことで、さまざまな価値観が共有され視野が広がっていきます。中高の多感な時期にそのような環境に身を置くことで、多様性を認め合うことを学べます。相手の文化を理解して思いやりを持ち、社会に立ち向かっていく子どもを育てたい。そんな思いを抱きながら、“広い視野のもと、豊かな人間性と独自の見識を持ち、世界を心に入れた人を育てる”という教育理念を実践しています」と北原都美子理事長は話す。