「見えない学力」では、同校独自の「アース・プロジェクト」に取り組む。「ナショジオ学習」では、「ナショナル ジオグラフィック」日本版に掲載された記事や写真を通じて、課題を見いだし、掘り下げていく。その他にも、農作業体験から食を知る「水田学習」や、世界遺産の屋久島や宇宙センターがある種子島を訪れる「アース・ツアー」を実施する。
見えない学力を育む「アース・プロジェクト」のプログラム「アース・ツアー」
「探究クラス」の1期生から
海外大学合格者が!
成立学園では3年後の創立100周年に向けて、教育改革に取り組んでいる。その一つが、一昨年からスタートした「探究クラス」だ。英語や論理的思考力など、探究に必要な能力を養い、海外の大学をはじめ総合型や学校推薦型選抜での進学を目指す。
きめの細かい教育に定評がある成立学園。学年・コース・クラスごとに生徒が自ら歩む道の指針となる「ロードマップ」を作成している。教員はコーチングやコンサルティングの研修を受け、生徒の状況や発達段階に応じて面談を行い、それぞれの良さを引き出しながら目標達成に向けた支援を行っている
文理の区別なく総合的・横断的な学習を行うのが特徴で、プロジェクト型の探究学習やアート・プログラムを土台に、語学力・論理的思考力・コミュニケーション能力を培う。英語学習については、国際基準のIELTSで高いスコアを獲得できるよう、ネイティブ講師が対策授業を行い、海外大学進学に必要な語学力習得を目指している。
「探究クラスの授業では、数字では測れない“見えない学力”の習得を突き詰めて行っています。体験活動を重視したプログラムを導入しているのは、他人の価値観ではなく、自分の価値観に基づいて試行錯誤を繰り返し、自分なりの答えや、誰も見たことのない未来を描き出してほしいから。答えは教わるものではなく探すもの、という姿勢を大切にしています」
そう話すのは、教務部長の生澤高典教諭だ。今春、探究クラスの1期生20人が卒業したが、在学中にIELTS「4.0」以上を17人が取得。うち3人がQueen’s University Belfastなど海外大学に合格、他に推薦入試で立命館アジア太平洋大学、一般入試でも中央大学などに合格するという結果を出した。