「中高一貫2-1-3システム」を新たに導入
取り組みの一つがコースの刷新だ。21年度に中学はスクール・ポリシーの明確化を図り、22年度入学生から、「アカデミックフロンティアコース」と「グローバルリーダーズコース」の2コース制となった。前者は体験的学習や探究学習を通して応用力や開拓力を伸長し、後者は異文化交流や英語運用力・多様性理解を通してグローバルリーダーへの素質を養う。
その上で、中高接続をスムーズにする「中高一貫2-1-3システム」を新たに導入した。これは中学3年次に、高等学校の特別進学コース、総合進学コース、スーパーグローバルクラス(SG)のプレコースを設置するもの。早い段階から大学受験への高い意欲や進路目標を持たせ、志望大学への合格を実現させるのが目的だ。
さらに、これまでも推進してきたICT教育とグローバル教育を、もう1段階進化させる。ICT教育では、タブレットの全員貸与と電子黒板設置という環境をベースに、能動的かつ主体的な授業を実施。グローバル教育では、イングリッシュラウンジの開設やベルリッツメソッドの導入、充実した海外研修・留学などを通して、プラスアルファの英語教育を展開する。
「予測不能な社会、VUCA(ブーカ)の時代をこれから生き抜くためには、主体的に考えて行動する力と、世界の人と協働する力が必要です。“何を学ぶか”だけではなく“どう学ぶか、その結果何ができるようになるのか”まで踏み込み、創意工夫した授業を展開しながら、生徒の隠れた才能を発見し育てる“創才”を実現しようと考えています」(田村校長)
もう一つ力を入れるのが、人間力を高める「キャリアデザインプログラム」だ。社会性や職業観を育むさまざまな体験教育プログラムやグローバル研修プログラムがあり、世界が抱える課題を自分の身近なものとして捉えるSDGs教育も実施する。
付属校として、16学部を擁する日本大学との連携による体験型キャリア教育ができるのも強みで、中学から学部訪問を実施。特に法学部と経済学部では、高等学校の生徒が授業科目を履修し、これらの学部に入学した場合は大学の単位として認められるという制度もある。