健康を支えるサプリメント開発への情熱と技術力。奇跡の売り上げ増を実現した「メタバリア」シリーズを大解剖左から、「メタバリアEX」/「メタバリアプレミアムEX」/「メタバリア葛の花イソフラボンEX」

写真フィルム事業で培った高度な設計技術が
商品力の高いサプリメントを生んだ

 メタバリアEXの特徴は、「サラシノール」をはじめとする複数の成分を活用し、「サラシノールにより糖の吸収を抑える*2」「サラシノールの継続摂取により腸内環境を整える*2」「継続摂取によりBMIが高めの方のおなかの脂肪・体重を減らす*3」という三つの機能性を届出していること。おなかの脂肪や体重が気になるBMIが高めの方に向けて販売している商品である。

 関心の高いジャンルとはいえ、商品力が高くなければ15年もの間、売り上げを伸ばし続けることはできない。同社の商品開発・ブランド推進本部サプリメントグループで研究を続ける小田由里子マネージャーは「開発段階から発売後の現在に至るまで10年以上続く徹底的な研究が商品力につながっている」と解説する。

「現在の『メタバリアEX』はリニューアルを重ねておりますが、15年に機能性表示食品制度が開始されてすぐに『サラシノールにより糖の吸収を抑える*2』という機能性を表示しました。続いて、17年には『サラシノールの継続摂取により腸内環境を整える*2』機能性を、19年には『商品の継続摂取によりBMIが高めの方のおなかの脂肪・体重を減らす*3』機能性を追加しました。それらを可能にしたのは、積み重ねてきた研究や臨床試験などの土台があったからです。確かなエビデンスに基づいた分かりやすい三つの機能性を訴求することで、顧客ニーズを捉えやすい商品となりました。こうした独自の着眼点が、成長の追い風となったのです」

健康を支えるサプリメント開発への情熱と技術力。奇跡の売り上げ増を実現した「メタバリア」シリーズを大解剖富士フイルム バイオサイエンス&エンジニアリング研究所
富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー 商品開発・ブランド推進本部 サプリメントグループ
小田由里子マネージャー入社以来、一貫してサラシアの研究に従事。腸内環境を整える作用や免疫調整作用などを明らかにし、2017年に東京大学で博士(農学)号を取得。サラシアへの研究成果と実用化への功績が認められ2020年「農芸化学技術賞」受賞。

*2 糖の吸収を抑える機能性と、継続摂取により腸内環境を整える(おなかの中のビフィズス菌を増やす)機能性は機能性関与成分サラシノールによる研究レビュー
*3 継続摂取によりBMIが高めの方のおなかの脂肪(体脂肪・内臓脂肪)・体重を減らすことで高めのBMIを改善する機能は、最終製品を用いた臨床試験

 同商品のマーケティングを担当する佐藤圭吾マネージャーは、サプリメント市場の現状を次のように解説する。

「商品の機能を明確に伝えられる『機能性表示食品』は、サプリメント市場全体の17%を占めており、過去5年間の年平均成長率は36%*4と特に伸長しています」

 こうしたデータに基づき、市場全体の動向を分析する力も、同社の強みだ。

「データを根拠にお客さまのニーズを的確に把握した上で、商品の効果を分かりやすくお客さまにお伝えすることにも注力しています」(佐藤マネージャー)

健康を支えるサプリメント開発への情熱と技術力。奇跡の売り上げ増を実現した「メタバリア」シリーズを大解剖富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー
商品開発・ブランド推進本部 サプリメントグループ
佐藤圭吾マネージャー新卒で入社後、研究所にて太陽電池の材料研究に携わる。2013年よりコンシューマー向けヘルスケア事業の商品企画に従事し、現在はメタバリアシリーズをはじめとするサプリメントの商品企画を統括する。

*4 出典:富士経済「 H・Bフーズマーケティング便覧2022No.3 機能性表示別市場分析編」。サプリメント全体における機能性表示食品の比率は2020年実績、年平均成長率は2016年-2020年

 地道な研究と、高いマーケティング力。そして強い製品設計を底上げするのが、富士フイルムが創業以来培ってきた写真フィルムの技術である。

「これを応用することにより複数の成分で強い処方の商品を作り上げることができました」と話すのは、メタバリアの発売当初から企画開発に関わり、薬剤師の資格を持つ植田文教上席研究員だ。

「写真フィルムというのは、高度な設計技術によって100種類以上の成分を巧みに組み合わせることで、1枚の写真に結実させています。しかも、色も質感も最高の写真にしなければいけない。長年続けてきた機能設計手法が、サプリメントの開発に役立ちました」

健康を支えるサプリメント開発への情熱と技術力。奇跡の売り上げ増を実現した「メタバリア」シリーズを大解剖富士フイルム バイオサイエンス&エンジニアリング研究所
富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー 商品開発・ブランド推進本部 サプリメントグループ
植田文教上席研究員富士フイルム初のサプリメント「メタバリア」の開発を立ち上げ。後に特許を取得した独自技術により、湿度に弱いサラシノールを高濃度且つ安定させて複合的に処方し、商品化に成功。メタバリア製品設計の礎を築いた。2020年「農芸化学技術賞」受賞。

  具体的には、どういうことか。

「写真フィルムとサプリメント、一見全く違う分野ですが、開発においては技術的に共通する部分が多くあります。写真フィルムを作るために必要な『写真の色あせを防ぐ抗酸化技術』『フィルムの性能を支えるナノテクノロジー』『高度な複合処方での設計技術』などが生かされています。100種類以上の成分を使って写真フィルムの性能を生み出す高度な設計技術を応用。サプリメント開発においても糖吸収抑制作用が高い『サラシノール』を含む複数の成分を組み合わせることに成功し、『メタバリアEX』や『メタバリアプレミアムEX』が誕生したのです」(植田上席研究員)