効果を確かめるため自分で摂取し続ける
開発への情熱と飽くなき探究心
サプリメント開発の始まりは05年。デジタルカメラの普及により写真フィルムの需要が減少する中、富士フイルム社内では新規事業の準備が進められていた。
「もともと、自分が開発した商品を世に出したい、という思いがあって入社しました。サプリメントの開発が検討されだしたときも、『特徴のないものを売るわけにはいかない』というプライドに突き動かされ、それはもう必死で研究を始めました」(植田上席研究員)
折しも、日本では生活習慣に起因する健康リスクへの関心が高まりだした時期だった。
「糖吸収抑制作用を持つ植物や食材を使って体重やおなかの脂肪をケアするサプリメントを開発できないかと考えました」と、植田上席研究員は当時を振り返る。そこで着目したのが、天然植物のサラシアに含まれるサラシノールという成分だった。
「日本人のカロリー摂取の半分は糖からです。そこで、糖吸収抑制作用が非常に高いサラシノールに着目し、商品開発を進めました」
また、体を張った研究も、商品の成長を助けた。「まずは自分が体感してみないと分からない。そんな思いから、サラシアの量を変えながら摂取し続けました」とは、植田上席研究員。さらに「サプリメントが開発・販売された後も、同商品を飲み続けて自らモニターになっている」と小田マネージャーも話す。その結果、糖の吸収を抑制するだけではなく、他にも効果がある可能性が見えてきたのだ。
「おなかへの体感があったことから、腸内細菌の解析などの手法を使いながら『腸内環境を整える』作用についても研究を深めていったのです」(小田マネージャー)
前述の、機能性表示食品制度の開始後に、相次いで幾つもの機能性を追加していくことができた背景には、こうした飽くなき探究心があったのである。商品発売後も続けてきた研究を振り返り、小田マネージャーはこう話す。
「研究を続けていると、もうひと粘り、ふた粘りした先に新たな可能性が見えてくることが多い、という実感を持っていて、常にそこに到達することを目指して、やり切ることを心掛けています」
植田上席研究員は、こう続ける。
「富士フイルムは、もともと写真フィルムの設計開発における世界一の技術力に誇りを持っていました。その精神は写真フィルムの製造量が減った今も脈々と受け継がれ、他社と一線を画す強い技術を確立し圧倒的な特長のある面白い商品を作るために、人がやらないことを考えたいという信念につながっています。その精神は今後も変わることはありません」
株式会社富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー
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