未回収リスクをゼロにする「請求代行」という方法

 未回収リスクを避けるために注目したいのが、これらの請求業務を一括で請け負ってくれる請求代行サービスである。一般に請求代行サービスというと、請求書の発行から郵送、入金確認までの業務範囲だけに対応するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を思い浮かべがちだが、新規取引先への与信から、未収金の督促、回収まで丸ごと外注で請け負ってくれるサービスもある。

 代表的なサービスの一つが、「マネーフォワード ケッサイ」だ。これは、マネーフォワードの100%子会社であるマネーフォワードケッサイが提供するBtoBデジタル請求代行サービスである。

 法人向けクラウド会計ソフトや個人向け家計簿アプリなどで知られるマネーフォワードの開発ノウハウを生かし、デジタル請求書の発行や、オンラインによる入金確認などができる独自のシステムを開発し、顧客企業の請求業務を丸ごと代行するサービスとしてリリースした。

サブスク・SaaS・EC事業の「成功がもたらすジレンマ」を解決する、BtoB事業に欠かせない切り札企業間の請求業務の負担を最小限にできるため、社員の負担が減り、キャッシュフローの安定にもつながる
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業界でも最安値に近い手数料で
未回収の資金を肩代わりしてくれる

「多くのオペレーションをデジタル化することで業務効率を高め、低コストを実現しました。大量の請求を迅速かつ確実に、しかもリーズナブルな料金で処理できるので、サブスクやEC事業などの請求業務に課題を抱えているお客さまには最適なサービスだといえます」と田中氏は説明する。

 しかも与信審査や、未収金の督促、回収までを行い、万が一、回収できなかったとしても売掛金の全額(手数料を除く)をマネーフォワードケッサイが保証するのが、このサービスの大きな魅力だ。つまり、売掛金の未回収リスクがゼロになるのである(※1)。

 このような保証が提供できるのは、マネーフォワードケッサイがユーザー企業の売掛債権を買い取った上で、請求業務を行うという立て付けになっているからだ。

「売掛債権は、基本的に当社が所有することになるので、たとえ貸し倒れが発生しても、ユーザー企業に損害が及ぶことはありません。未回収リスクを心配することなく、積極的に営業活動を展開していただけるようになります」(田中氏)
    
 代金の回収が保証されるにもかかわらず、「マネーフォワード ケッサイ」の手数料は、売掛債権金額(税込み)の0.5~3.5%と低水準だ。同社によると、業界でも最低レベルだという。

※1 「マネーフォワード ケッサイ」の審査を通過した場合に100%入金保証。ただし、表明保証違反が審査通過後に発覚した場合等、例外的な場合は対象外。

与信審査の通過率は99%(※2)、
それも最短数秒で診断可能

※2 2022年4~6月に「マネーフォワード ケッサイ」について事業者から買い取りを打診された債権のうち当社利用規約違反の疑いのない債権の審査通過率。

 これほどリーズナブルな手数料で、債権の買い取りから請求業務までを請け負えるのは、与信精度の高さと、オペレーションコストの低さが、類似のサービスと比べて群を抜いているからだ。「マネーフォワード ケッサイ」は、すでに提供開始から5年が経過しており、その間に取り扱った膨大な小口請求のデータを蓄積している。そのデータを機械学習によって分析することで、精度の高い与信審査を行うことができるのだ。

 そのため、「ユーザー企業の与信審査では通らないような顧客でも、当社の審査なら99%の確率で通過させることができます。より多くの新規顧客を開拓して、売り上げを伸ばすことも可能です」と田中氏は語る。

 しかも、審査は最短数秒で完了するので、ECサイトを見ながら「買おうか、どうしようか」と迷っている顧客が離脱してしまうロスも減らせる。「ECサイトにおけるクレジットカード決済並みの与信スピードを目指しています」(田中氏)。