インハウスの受け皿
として導入が進む

 なぜインハウスの受け皿としてBTMの導入が増えているのか。大きな理由として、ゼロコミッションの本格化、それによる旅行会社の収益の悪化がある。

「これまで旅行会社は、基本的にサプライヤー(航空会社)から代売手数料としてコミッションを得るという形で収入を得ていた。ところが本格的にゼロコミッション時代になって、旅行会社は利用者から料金をもらわないと事業が成り立たなくなった。ところが日本人は目に見えないサービスにお金を払うという習慣があまりない。そのため旅行会社は、航空券の発券で利益を上げることが非常に難しくなったのです」

 さらに、航空会社自らが公示運賃として格安航空券をネットで提供するようになり、券面金額自体が安くなってしまった。ゼロコミッションの打撃に加えて、券面金額と実質運賃との差額で利益を得ていた旅行会社は、そのメリットもなくなってしまった。

 しかも現在の航空運賃は、そもそもコミッションの対象にならないオイルサーチャージの比重がとても高くなっている。こうしたことから、ある程度出張業務のボリュームが大きな旅行会社でも、発券業務で利益を上げるのが困難になってしまったのだ。

「つまり、インハウスはもはや企業のコストセンターとしての機能しか果たせなくなり、企業側は赤字になるのなら持っている意味がないと判断して、BTM会社に出張業務をアウトソーシングする動きが活発化しているのです」