アジアマーケットへの
出張管理にも対応

 ビジネスのグローバル化が進み、企業の規模を問わず、海外出張の頻度は高くなっている。特に日本企業がターゲットとしているのはアジアマーケットだ。企業のグローバル戦略に対応するために生まれたBTMは、多様なカルチャーが混在するアジアでこそ真価を発揮するという側面がある。

「中国一辺倒だった時代を脱して、日本企業は今アジアの中で他の市場を求め始めています。例えば、ミャンマーやベトナム、ラオス、インドネシア等々。アジアの国々は均一な価値観を持つ欧米と比べて、文化や宗教などが多様で、グローバルな出張管理を行うには相互の理解が必要になります。これを企業単位で行うと大変な負担になる」(北村氏)

 今、企業のグローバル戦略に積極的に対応するBTM会社は、いずれもアジアマーケットを重視して、現地でのサービス拡充やシステム統合を含め、それぞれの国の事情に合わせたきめの細かいサービスに力を入れ始めている。直行便のない国々へ、プロジェクトチャーター便を飛ばすなど、航空会社を巻き込んだ新たな路線開発も活発化している。

「大企業はもちろん、中小企業でもグローバル化は避けられない時代。企業の成長戦略のため、出張業務はアウトソーシングして本業に回帰する。こうした選択と集中の動きは今後も加速していくと思います」と語る北村氏。限られた経営資源の有効活用を実現するBTM、グローバル時代を生き抜くインフラとして必須なものになりつつある。

 情報化がいくら進んでも、フェイス・トウ・フェイスの交流は欠かせない。出張の重要性は、今後さらに高まって来るだろう。昨今は、出張の強力なサポートとなるモバイル機器や無駄な荷物を減らす便利グッズが充実している。BTMの導入に加え、それらを活用する価値も大。