脱炭素経営の必要性を感じていても「何から始めていいか分からない」という中小企業は多い。そこで信金中央金庫は、信用金庫業界独自のグリーン戦略「しんきんグリーンプロジェクト」の第1弾として、「中小企業の脱炭素化支援」を開始した。信用金庫・信金中央金庫と自治体、外部機関が連携し、CO2排出量削減の取り組みを後押ししていく。
脱炭素化と再エネで地域のグリーン化推進
須藤 浩副理事長
少子高齢化に伴い、多くの地域では経済の縮小が懸念されている。地域経済を支える中小企業の経営環境も、コロナ禍の影響や原油・原材料価格の高騰などによって厳しい状況だ。加えて、DX(デジタルトランスフォーメーション)や環境問題への対応も喫緊の課題となっている。こうした中、「持続可能な地域経済社会の実現」に向けて全力で取り組んでいるのが、信用金庫とその中央金融機関である信金中央金庫だ。
資金の供給だけでなく、非金融サービスもより一層強化。DXを促進する施策や創業・販路拡大・事業承継といった企業のライフステージに応じたサポートなどに力を注いでいる。
こうした取り組みの一環として始動したのが、信用金庫業界独自のグリーン戦略「しんきんグリーンプロジェクト」だ。
具体的には、①地域のグリーン化を推進する取り組みに信用金庫業界の資金を供給、②ネットワークを活用し、自治体や中小企業の脱炭素化に向けたソリューションを提供、③地域における環境負荷低減に向けた取り組みを促進──この三つを軸とした施策に取り組む(下図参照)。
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その詳細について、信金中央金庫須藤浩副理事長は次のように語る。
「まず、全国254の信用金庫が持つ自治体・地域事業者とのネットワークを活用し、中小企業の脱炭素化支援と、再生可能エネルギー発電事業の促進によるエネルギー需給の両面から地域のグリーン化を推進します。このグリーンプロジェクトを通じ、信用金庫が地域社会におけるカーボンニュートラル(温室効果ガス実質排出ゼロ)実現のキープレーヤーになり、地域において最も信頼される金融機関になることを目指します」