脱炭素化を全国に波及的に拡大させる

 信用金庫業界では、これまでにも自治体と連携して地域の脱炭素化に取り組んできた実績がある。企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を活用した「SCBふるさと応援団」もその一つ。これは自治体のSDGsに関連する事業に対して信金中央金庫が寄附を行い、地元の信用金庫が事業運営を伴走支援するというプロジェクトだ(実施期間20~22年度、21年度までの寄附実績は、196事業、19億4000万円)。

 脱炭素関連の例を挙げると、北海道岩見沢市が地産地消の地域エネルギーシステム構築事業を推進。地元の空知信用金庫が実証実験に参加する事業者を紹介し、社会実装に向けた資金調達を支援する予定。また、新潟県柏崎市はエネルギーの地産地消を目指して再生可能エネルギー会社を設立。柏崎信用金庫が設立準備に参画し、資金調達面だけでなく地域の課題解決や地域振興の観点から助言を行った。

「ある地域での好事例を別の地域に横展開することで、全国に波及的に広げられるのが信用金庫業界の大きな強みです。脱炭素化支援においても、こうした活動によって自治体や中小企業の脱炭素化への取り組みを後押ししていきます」

 全信用金庫の事業会社向け融資先の総数は、22年3月末現在で約124万社と全国の中小企業の約3割を占める。今回のプロジェクトによって信用金庫の取引先が脱炭素化を加速すれば、日本全体のカーボンニュートラルに向けて強力な推進力になることは間違いない。

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信金中央金庫 SDGs推進部
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