羽田空港の機能強化がインバウンドを失った観光地を復活させる

羽田空港の機能強化がインバウンドを失った観光地を復活させる兼六園(金沢市観光協会)
日本三名園の一つ、兼六園。加賀歴代藩主により造られてきた江戸時代の代表的な大名庭園(画像提供:金沢市)

 石川県金沢市は、兼六園、金沢城公園、茶屋街、近江町市場などの人気観光スポットを擁しており、常に賑わいを見せているように思いがちだ。しかし、日本人観光客は、土・日・祝日に集中してしまうという現実がある。その点、外国人観光客は「宿泊・飲食などの業界にとって、平日を埋めてくれる大切な顧客」と金沢市観光協会は言う。ところがコロナ禍により、最も人気の高い兼六園でさえも、外国人入園者数は、19年の約47万5000人から20年には約6万1000人、21年には約5100人まで激減した。

「金沢は、欧米系の観光客が多い。彼らは普通の市民の暮らしに触れたいと、飲食や町歩きなどを楽しみ、町中ににぎわいをもたらしてくれる存在でした。また受け入れる市民の国際感覚の醸成にも寄与していました」。その姿は、今はほとんど見られない。

羽田空港の機能強化がインバウンドを失った観光地を復活させるエンジェルロード(小豆島観光協会)
1日2回、干潮時に海の中から現れるエンジェルロード。大切な人と手をつないで渡ると願いがかなうといわれる(画像提供:小豆島観光協会)

 瀬戸内海に浮かぶ小豆島。小豆島観光協会によると、外国人観光客には干潮時に海の中から現れる砂の道・エンジェルロード、道の駅小豆島オリーブ公園が高い人気だという。

「コロナ前は宿泊者ベースで外国人観光客が15%程度を占めており、伸びも大きいものがありました。国内需要が停滞する中で、観光客数を伸ばすには外国人観光客をさらに獲得することが大事」という認識だったが、19年と21年の観光客数の比較では、日本人観光客は58%減、上海、香港、台湾、韓国で8割以上を占めていた外国人観光客は99%減まで落ち込んだ。

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