自社のサーバーからクラウドへの移行も、
品質の高いサービスで支援
中堅・中小企業におけるクラウドの導入と、その活用を通じたビジネス変革のニーズが高まり続けていることを背景に、コロナ禍であってもNHN テコラスのビジネスは好調だ。21年の売り上げは前年比で約40%増、利益は約150%増と大きく更新した。
「クラウド導入、オンプレミス環境からの移行などの初期フェーズと、導入後の継続的な構成や運用管理、コスト最適化などの運用フェーズの双方において、ニーズはさらに高まっており、22年も前年を上回る成長を見込んでいます」(白倉社長)
なぜ、NHN テコラスは多くの企業から選ばれているのか。
「会社の成り立ちにも関わるところですが、われわれは20年以上にわたり、データセンターなどの物理サーバーの設計構築・運用を手掛けてきたことから、物理とクラウドの両方で十分な知見があります。オンプレミスからクラウドへの移行を支援する際に、移行元となる物理環境のアセスメントから品質の高いサポートを提供できます。
また、クラウドへの移行は1年以上かけて行われるケースもあり、その過渡期における物理とクラウドのハイブリッド環境についても統合管理をサポートすることが可能です。これらの導入サポートや導入後の構成や運用・費用の継続的な最適化、後に自社で自走するのに必要なスキルトランスファーのためのエンジニアサポートを時間単位でご利用いただけるプランを提供しています。
導入前の段階から自社で専任人材を採用・育成することがコスト観点で難しいケースも多いため、専門知識と経験を持つAWSに精通した当社のエンジニアによる技術支援を5時間単位、月10万円ほどから利用できるサービスは、中堅・中小企業のお客さまを中心にとてもご好評いただいています」。自社の特徴、強みについて、白倉社長はそう話す。
NHN テコラスの資料を元にダイヤモンド社作成
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また、ライブドア時代の自社サービスの運用も含めて、ITの中でもインターネットサービスを展開する企業への豊富な支援実績を有していることも強みの一つだ。クラウドはインターネット上で稼働するコンピューティングリソースを利用するサービスであるため、稼働するアプリケーションやワークロードにかかわらず、同社のインターネット技術で培った経験が生きてくる。
数多くのAWSパートナーの中から、
最上位の「AWS プレミアティア サービスパートナー」に
一方、第三者の目から見たNHN テコラスの強みや差別化ポイントはどこにあるのか。
「一つは、インターネットビジネス系のお客さまを中心に多くの実績があり、クラウドに適したスケーラビリティーを活用する高い技術力と運用力を有していることです。中堅・中小企業向けにサポート展開を広げることで、今年は昨年に比べて商談数が2.4倍に増えています。
もう一つは、過去の実績に基づいた中堅・中小企業向けのAWS導入支援や、使い勝手の良いサービスを用意していることです。先ほど白倉社長がおっしゃっていた初期費用10万円から始められるパッケージや、人月単価ではなく、時間単位の5時間で10万円ほどから依頼できるエンジニアリングサポートなどは、最低限の投資で最大の価値を求める中堅・中小企業にとって非常に有益ではないでしょうか」と原田執行役員は語る。
原田洋次執行役員 広域事業統括本部長
1999年よりDell(現デル・テクノロジーズ株式会社)にて日本およびアジア・パシフィック地域でのSMBおよびコンシューマー向けのマーケティングに長く従事し、その後全顧客セグメントに対するCMOおよびGMを歴任。2016年よりGoogleにてデジタルマーケティング分野での営業統括に従事し、アジア・パシフィック地域ミッドマーケットセグメントの執行役員事業本部長を経て、21年よりAWS ジャパンにて現職。
こうした強みを踏まえて、NHN テコラスは21年にAWSパートナーの最上位である『AWS プレミアティア サービスパートナー』の認定を取得した。
「AWSパートナーは日本国内で700社以上ありますが、その中のAWS プレミアティア サービスパートナーはたった12社のみ。その多くは大手のSIerさまで、グローバルの選定基準をクリアする必要があります。この中にNHN テコラスさまが加わったのは、まさにこれまでの実績と卓越した技術力によるものといえます」(原田執行役員)