日鉄物産システム建築は、2007年に旧住友金属工業(現日本製鉄)から分離独立したシステム建築専業メーカーである。豊富な商品バリエーションで多様化する建築主のニーズに対応し、毎年250棟を超える実績を持つ。日本製鉄グループとの連携による強みを生かしながら、工場・倉庫分野でのさらなるシェア拡大を狙う。

日鉄物産システム建築
生井敏夫
代表取締役社長

「システム建築」のルーツは米国にある。建物のサイズを決め、部材を工場で大量生産し、簡易な施工方法でコストダウンを図るという考え方で発展した。今、米国の工場・倉庫の市場では、約6割のシェアを持つといわれている。日本のシステム建築は、その米国の考え方をベースに、日本の厳しい建築基準や制約が多い建設地の条件に即した建築工法として発展してきた。

「軽量鉄骨で小規模物件にメリットを発揮するプレハブ工法と違い、重量鉄骨を使うシステム建築は一般工法と同等の適応範囲を持ち、設計から施工までの建築プロセスを標準化・システム化することで高く安定した品質をお約束できます」。そう説明するのは、日鉄物産システム建築の生井敏夫社長だ。

 システム建築の大きな特長は、「低コスト」「短工期」であること。柱間隔や建物の高さのピッチなどを規格化することで、工場での製作比率を高め、現場での人による調整や手間を省くことができ、結果安定した品質でスピードが速く施工コストも抑えられる。「特に当社の強みは、現場施工の中で一番手間のかかる工程である基礎工事も独自の商品でシステム化していること。当社のシステム建築工事の範囲では、一般工法に比べ最大約25%のコストダウンと、約25%の工期短縮を実現しています」(生井社長)。