QRコード決済やデジタルウォレットなど、スマートフォンを使った決済手段が多様化している。各サービスがしのぎを削る中、欧米では当たり前となった「BNPL」(Buy Now Pay Later、無金利分割払い)を日本で唯一提供し、注目を集めているのがPaidy(ペイディ)だ。「あと払い」のメリットによって「時間を買う」効果をもたらしてくれることに加え、万全のセキュリティーで安全性と使い勝手を両立させているのが人気の理由。サービスの魅力と、技術面・管理面の徹底した安全対策に迫った。

AmazonやQoo10、Appleなど約70万のECサイトで利用できる日本唯一の“BNPL”

「Buy Now Pay Later」とは、直訳すれば「今買って、後で支払う」。つまり「あと払い決済」のことだ。クレジットカード決済や割賦販売もあと払いなので、「何をいまさら……」と思うかもしれないが、欧米で当たり前となっているBNPLは、それらの仕組みとは大きく違う。

 最大の違いは、あと払いや分割払いであっても、買い物をした消費者側には基本的に分割手数料がかからない点だ(クレジットカードなどでは分割払いの場合手数料がかかることが多い)。販売者側が分割のコストを負担する仕組みになっているので、消費者は「分割することで結果的に支払総額が増えてしまう」と心配する必要がない。分割手数料負担がかからないので、「借金」ではなく「未来の自分との割り勘である」と捉えることができる。

 またBNPLは、主にECサイトでの買い物や、動画、ゲームといったデジタルコンテンツの購入などに利用されることが多く、スマートフォンを使って簡単に決済できるのが特徴だ。ECの場合、代金引換(代引)やクレジットカードなどの決済手段もあるが、代引の場合は代金を支払うために自宅にいなければならないし、クレジットカードの場合は決済時にカード番号などを入力する手間がかかる。その点、ペイディのBNPLはわずか数秒で安全に決済が完了できる仕組みになっており、非常に手軽だ。

 そんな便利なBNPLを、日本で唯一提供しているのがPaidyだ。同社は2014年10月、国内初のBNPLである「ペイディ」の提供を開始。当初は、あるファッションECサイトの決済に限定し、月内の買い物をまとめて翌月払いにできるサービスからスタートした。

「今買いたい!」をかなえ、当月のお買い物を翌月一括で支払える「あと払い」サービスがペイディ。事前のクレジットカード登録などの必要がなく、メールアドレスと携帯電話番号、認証コードで決済(与信)が完了する
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「現在では利用できるECサイトの数が約70万まで広がり、家電、ファッション、美容、レジャー、食品、デジタルコンテンツなど、日常の買い物をほとんど網羅しています。支払い方法も、翌月一括あと払いのほか、分割手数料無料※の3回あと払いなど、少しずつ選択肢を広げてきました」と語るのは、Paidyの杉江陸代表取締役社長兼CEO(以下、全てのコメントは杉江社長による)。
※銀行振込、口座振替のみ

 一体「ペイディ」とはどんなサービスなのか。消費者にとってどんなメリットがあるのだろうか。次ページで説明する。