「マネードクター」で知られる保険代理業、FPパートナーが2022年9月22日、東証グロース市場に新規上場を果たした。保険を軸に「お金の総合相談サービス」で成長を続ける同社が目指す先を、黒木勉代表取締役社長に聞いた。

黒木 勉FPパートナー
代表取締役社長
くろき・つとむ■MDRT TOT終身会員。信用金庫、外資系生命保険会社を経て保険代理店として独立。お客さまファーストを貫く経営姿勢は「お客さまへ一生涯にわたるファイナンシャルプランニング、保険サービスの提供」を実現するという信念に基づく。

──初めに、上場に踏み切った目的を教えてください。

黒木 ひと言で言えば「信用力の向上」です。2009年に保険代理店としてスタートし、ファイナンシャルプランニングに事業領域を広げていく中、私たちは常に「いかにお客さまから信用を得ていくか」を考えてきました。信用できない相手に保険やお金の相談をするのは、あり得ないからです。そんな姿勢がお客さまに伝わったのか、創業して以降、一度も減収になることなく、売上高200億円、社員数約2200人、拠点数129カ所、顧客数約43万人の規模にまで成長することができました。社員の頑張りとともに、お客さまに信用していただいた結果だと受け止めています。

 ただ、東京や大阪のような大都市と違って、全国的にはまだまだ認知されておらず、信用も決して高くありません。テレビCMを展開してはいますが、当社の知名度と信用力をいま以上に高めるには、どうしても上場する必要があったのです。

──上場に先立ち、21年には投資信託などを扱う金融商品仲介業(IFA)を開始しました。

黒木 将来や老後への自己防衛意識が高まる中、資産形成に関するご相談が増えています。変額保険やドル建て保険という投資性の強い商品もありますが、保険の特性はあくまで「保障」。そこで、投資信託などの商品を扱うIFAに参入することで、お客さまの新たなニーズに応えようと考えた次第です。