事業部の枠を超えた
総合提案で成長のチャンス
佐伯佳夫上席執行役員 人事部長
「顧客目線で大きな絵(提案)」を描くためには、事業部の枠にとらわれない総合力の発揮が必要だ。
「複数事業部経験制度」は、そんな人財を育成するためのスタートラインとなる。22年度から導入したこの制度では、新卒入社の営業職は全員「総合営業部」の所属として、四つの事業を全て現場で経験できる仕組みを取り入れたのだ。実務を通して事業部間の心理的な壁も取り除いた上で、本人希望と職務適性を踏まえ2年目に正式な事業部配属としている。
34歳以下の社員が自身で手を挙げ、事業創造や既存事業の進化にチャレンジする「新みらい塾U-34」も、事業部の枠や職種の枠を超えた人財を育成するための取組みの一つだ。若手~中堅の社員が担当の枠を超え、1年にわたって共に学び、議論し、課題を発見して事業プランを構想していく。22年度からは、提案が「深掘りする価値あり」と認められた際に、実務に実装できるレベルのルールやツールを作り込む場として「Mirai研究所」も立ち上げる予定だ。
07年にスタートした女性活躍推進は年々進化し、18年には「人事部インクルージョン推進室」として誰もが働きやすい職場づくりに向けた取り組みを先進的に進めている。部下の活躍と成長を応援するマインドとスキルを備えた管理職「イクボス」がいたりと親しみやすいネーミングもユニークだ(イクボス認定者へは「イクボっとら」と名付けられたオリジナルキャラクターの起き上がりこぼしが授与される)。
また、男性中心の建設業界にあって、女性がもっと生き生きと活躍できるような取り組みを進める女性工事職チーム「DLあかつき小町」も立ち上げられている。
「インクルージョンに関する制度の多くは、従業員の発案から生まれたものです。自分たちの会社は自分たちで良くするという風土が根付いていますし、会社としても良いアイデアはどんどん取り入れたいと考えています」と佐伯佳夫人事部長は語る。