障がい者雇用が進んだ企業として知られる日本生命保険(以下、日本生命)は、本社や支社での雇用はもちろん、大阪市西淀川区御幣島(みてじま)にはさまざまな障がいのある人が主役となって働く子会社がある。そのニッセイ・ニュークリエーションが30年近い歴史の中でつくり上げてきた「個性を生かす職場づくり」を紹介する。

日本生命保険
竜田和弥
障がい者雇用推進室長

 日本生命は、障がい者雇用を推進するため本社や47都道府県の各支社に「サポートパートナー」という職種を設けている一方、1993年には保険業界で他社に先駆けて障がい者雇用に特別の配慮をした特例子会社のニッセイ・ニュークリエーション(以下、NNC)を設立した。

 障がい者雇用に積極的な同社の姿勢について日本生命の竜田和弥・障がい者雇用推進室長は、「保険が持つ、お互いが助け合う相互扶助の精神が根本にあります」と話す。

「障がいのある方と一緒に仕事をしていて強く感じることは、会社が持続的な発展を続けるためには、多様な人材が活躍できる場をしっかりつくっていくことが重要だということ。そこで、全職員が障がいについて学ぶセミナーを受講したり、職員で車いすバスケットボールの試合を応援したり、NNCの職場見学をしたりして、理解を深めています」

毎週火曜日の朝、近隣地域の清掃を行う社会貢献活動

 それが同社のインクルージョン(包摂)推進にも役立っているという。