鉄道の電気関連工事のリーディングカンパニーである日本電設工業。同時に、官公庁や医療・教育機関、大規模ビルなどの電気・通信設備から5Gなど移動体通信設備まで、鉄道以外の社会インフラ全般をも支えている。幅広い貢献を可能にするのは、ハイレベルな技術とハイレベルな人材だ。
安田一成 代表取締役社長
JR東日本のパートナー企業で、鉄道電気工事における最大手──日本電設工業(NDK)は、このように紹介されることが多い。1942年、旧鉄道省の傘下に発足した鉄道電気工業に始まって、以後80年に及ぶ歴史からしても、同社は鉄道電気工事分野における日本のリーディングカンパニーであることに揺るぎない。
だが、NDKにはもう一つの顔がある。鉄道以外の一般電気工事と情報通信工事の分野においても成長を続ける、総合設備エンジニアリングの大手という顔だ。
鉄道電気で培った技術を
基盤に他分野にも注力
話題となった豊洲市場水産卸売場棟。仙台医療センターや明治大学和泉ラーニングスクエアといった医療・教育機関。JR横浜タワーなどの商業・JR目黒MARCビルなどのオフィスビルやThe Okura Tokyoなどのホテル、全国各地の高速道路や空港──。これらは全て、NDKが施工を手掛けた大規模な社会インフラだ。一般電気工事の分野では、こうした施設の電気・空調・衛生設備工事のほか、再生可能エネルギー発電設備や省エネルギー建築の整備も手掛けたり、さらに情報通信工事の分野ではネットワークインフラ整備や携帯電話基地局の拡充を担ったり……。NDKのビジネス領域は拡大と深化を続けている。
「日本一の実績を持つ鉄道電気工事とは違い、一般電気・情報通信工事では当社はまだまだ挑戦者という立場ですが、全国で大型案件を任せていただけることが増えており、この分野での施工能力をさらに強化していくことが経営のテーマです」
こう語るのは、2022年6月に就任した安田一成新社長だ。
「もちろん、鉄道電気工事も引き続き、当社の主力事業です。日本では鉄道は成熟産業と見なされがちですが、一方で、新幹線の延伸が続いたり、在来線や地下鉄でも過去30〜40年ほどの間に新設された路線が大規模設備更新の時期を迎えたりと、今後の成長が見込まれます」