仏教と禅の精神は駒澤大学のオリジン。駒澤大学で学んだ人材は“駒澤人”としてのアイデンティティーを持ち、混沌とした社会でもしなやかに活躍する。駒澤大学の“今”を紹介する第3回のテーマは「禅×ビジネス」。バンダイナムコホールディングスの川口勝社長と各務洋子学長が、“仏教と禅はビジネスにどのように役立つか”を語り合った。
駒澤大学新図書館にて
(右)バンダイナムコホールディングス
川口 勝代表取締役社長・グループCEO
1960年生まれ。神奈川県出身。83年駒澤大学経済学部経済学科卒業。同年バンダイ入社。その後、主軸である玩具事業を中心に幅広い事業部門を担当。2010年に常務取締役、15年に専務取締役、同年8月に代表取締役社長。21年にバンダイナムコホールディングス代表取締役社長に就任。
(左)駒澤大学
各務洋子学長
東京都出身。米アリゾナ州立大学サンダーバード国際経営大学院修士課程修了後に米国の民間企業でコンサルティング業務に従事。国際基督教大学大学院行政学研究科博士後期課程修了(学術博士)。駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部設置準備室長、同学部教授、同学部長、学長補佐などを経て、2021年4月に駒澤大学初の女性学長に就任。
(右)バンダイナムコホールディングス
川口 勝代表取締役社長・グループCEO
1960年生まれ。神奈川県出身。83年駒澤大学経済学部経済学科卒業。同年バンダイ入社。その後、主軸である玩具事業を中心に幅広い事業部門を担当。2010年に常務取締役、15年に専務取締役、同年8月に代表取締役社長。21年にバンダイナムコホールディングス代表取締役社長に就任。
(左)駒澤大学
各務洋子学長
東京都出身。米アリゾナ州立大学サンダーバード国際経営大学院修士課程修了後に米国の民間企業でコンサルティング業務に従事。国際基督教大学大学院行政学研究科博士後期課程修了(学術博士)。駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部設置準備室長、同学部教授、同学部長、学長補佐などを経て、2021年4月に駒澤大学初の女性学長に就任。
バンダイナムコホールディングスの川口勝社長は駒澤大学経済学部の出身だ。
「大学時代はアメリカンフットボール部に所属し、社会人になってしばらくは、体育会系の元気と明るさで乗り切ってきました。ですが20代後半に“このままでは成長できない”と考え、知見を広げるための勉強を始めました。その中に仏教があったのです」
在学中に宗教学の授業で坐禅を組んだことはあったが、仏教には関心がなかった。だが社会に出たとき、仏教の教えがビジネスに役立つことを実感するようになったという。
「例えば仏教には“全ての物事は変化し続ける”という教えがあります。会社経営も同じで、この世の中に“悟りの境地”にたどり着いた企業など存在しません。当社は現在業績が非常に良いのですが、あくまで未完の姿で、成長する余地は多く残されている。そう考えられることで、会社経営に対する心構えも変わってくるのです」
さらに社長として意思決定を行うとき、坐禅を組んで心を落ち着けることもある。
「アイデアを出すときは、机の周りをぐるぐる歩き回りますが、決断を下すときは一時の勢いや感情に流されず、その結論が本当に正しいかどうかを検証するため、心を穏やかに落ち着かせます。じっくり考えるときには、坐禅という方法はとても有効だと思います」