排出量を算定するシステムを提供
「見える化」のためのツールとして、同社が日本での単独代理店契約を獲得したのが、フィンランドのスタートアップ企業が開発したソフトウエア、「One Click LCA」だ。このソフトは、建物のライフサイクル全体におけるエンボディードカーボンを精緻に算定できるのが特徴。国際認証のISO規格に準拠し、世界の50以上のグリーンビルディング認証に適合しており、現在130カ国以上で利用されている。住友林業は、このソフトウエアを日本市場向けにカスタマイズした日本語版をリリースした。
One Click LCA社のパニュ・パサネンCEOは、「欧州ではエンボディードカーボン削減を義務化する方向で進んでおり、いずれ日本も同じ状況になるはず。自社の競争力や収益力を高めるためにもできるだけ早くCO2排出量の見える化と削減に取り組んでいただきたい」と提言する。
エンボディードカーボンを削減するには、建物に使用する木材・建材の原材料調達から廃棄に至るまでのCO2排出量を可視化することが重要だ。製品のライフサイクルにおける排出量を定量的に示す「EPD※2」という認証制度があるが、日本では120件程度しか取得しておらず、デベロッパーや設計事務所、ゼネコンが脱炭素の建築物を設計するために十分ではない。
細谷執行役員は「手続きが面倒で費用もかかるEPD取得を支援することで普及を促していきたい。23年には、認証取得を容易にする『EPDジェネレータ』というソフトの日本語版を木材・建材メーカー向けに提供開始する予定です」と語る。自社だけでなく、建設セクター全体でCO2削減に取り組んでいく。それが住友林業の脱炭素化戦略だ。
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