2022年3月に設定されたバランスファンド「まるっと米国」の運用成績が好調だ。組入れている米国株式、米国債券のETF(米ドルベース)は値を下げているのに、同ファンドの基準価額は22年10月末時点で8%以上も上昇! その理由に迫った。
代表取締役社長
梅本賢一さん
株価の下げを債券が緩和し
絶妙な分散効果を発揮
SBIアセットマネジメントが設定した「まるっと米国」は、ブラックロックが運用する「iシェアーズ・コア S&P500 ETF(IVV)」と「iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(AGG)」の2つを組入れた投資信託。米国株式と米国債券に50%ずつ投資する、日本初のバランスファンドとして注目を集めている。
シンプルな設計なので運用コストが低く、保有中にかかる信託報酬は年0.0938%(税込)程度と業界最低水準。
「長期保有し、着実に資産形成していただくため、低コストにはとことんこだわりました」と、SBIアセットマネジメントの梅本賢一代表取締役社長は語る。
その「まるっと米国」のパフォーマンスが好調だ。2022年10月31日時点の基準価額は1万817円。3月の設定から約7カ月で8.17%という運用成績をあげている。組入れている2つのETF(米ドルベース)は、米国株安、米国債券安のダブルパンチで値を下げているのに、なぜか。
「理由の1つは、比較的値動きが穏やかな米国債券ETF(AGG)の下げ幅が限定的だったことがあげられます。株式と債券の分散効果によって、米国株ETF(IVV)の大幅な下げを緩和させたのです」
そもそも「まるっと米国」は、米国株式と米国債券を50%ずつ保有すれば、分散効果によって長期的に安定したパフォーマンスが見込めるという設計思想に基づいて開発された。その狙いどおりの効果が表れたのだ。
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急激な円安が追い風となり、基準価額を押し上げた! >
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