販売管理や人事管理、経理といった業務のIT化が当たり前となった今日、「そろそろわが社も」と検討を始めたものの、「あれも、これも」と欲張った結果、導入に要するコストや手間などのハードルが高くなり、途中で頓挫してしまうケースが少なくない。それを避けるには、確実にIT導入の効果が見込める業務領域に特化して、クラウドサービスなど初期導入コストの低い方法を活用するのが賢明だ。
業務のIT化は「確実に成果の出る領域」に絞った投資を
© paylessimages - Fotolia.com
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中小企業でも“ITを利用した業務効率化”が強く意識されるようになった昨今だが、業務システムの導入を検討する際には、ぜひ気を付けていただきたいことがある。
それは、「せっかくの機会だから、販売管理や人事管理もIT化しよう」といった具合に、一度にすべての業務のIT化を進めようとしがちだということだ。
業務のIT化を検討するには、多くの時間と労力を要する。また、大規模にIT化する場合、システム導入時に数千万円、年間の運用で数百万円のコストがかかるケースも珍しくない。
しかも、導入したシステムを現場が使いこなせず、莫大な投資が無駄に終わる可能性もある。これだけのリスクを冒し、成功の確証がないIT化に多くの予算を投じるのは賢明な判断だとは言いがたい。
こうした懸念を背景に、「中小企業のITによる業務効率化は、確実に効果が出る領域に絞って行うのが最適」との認識から、近年、特定の業務領域に特化し、さらに導入の手間やコスト負担の低いクラウドサービスへの関心が高まっている。