1942年に自然豊かな信州の地で創業して以来、環境との共生をはかりながら事業を育んできたエプソン。その核に、常にあり続けたのは「省・小・精」の精神と技術だ。2022年9月には改めて「『省・小・精』から生み出す価値で、人と地球を豊かに彩る」とパーパスを定め、次世代につなぐべき循環型経済を実現すべく企業体質の変革に拍車をかけるという。そこでセイコーエプソン 代表取締役社長/CEO 小川恭範氏に、エプソンが展開しているサステナビリティ経営の現在地点について聞いてみた。
高い目標を掲げ、環境課題に立ち向かうエプソンの企業風土
エプソン流のサステナビリティ経営の発端は、80年前。「地域との共生」を掲げた創業当時にまでさかのぼり、以来、現在に至るまで、長きにわたって培われてきたのが、「省(より効率的に)・小(より小さく)・精(より精緻に)」の精神と技術で、社会の課題を解決していく姿勢だ。ともすると省エネ、小型化、精密化の部分に焦点が当たりがちだが、エプソンが目指しているのは、それだけではない。