藤森 綾子
デル・テクノロジーズ システムズ エンジニアリング統括本部長
上席執行役員
2000年にEMCジャパン( 現デル・テクノロジーズ)にSEとして入社。08年MBAを取得し、SE部長、本部長を務める。現在は、マルチクラウドの全社イニシアチブをリードする存在に。
デル・テクノロジーズ システムズ エンジニアリング統括本部長
上席執行役員
2000年にEMCジャパン( 現デル・テクノロジーズ)にSEとして入社。08年MBAを取得し、SE部長、本部長を務める。現在は、マルチクラウドの全社イニシアチブをリードする存在に。
日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を阻んでいるのは、DXのために導入した"クラウド"なのかもしれない。いまや国内企業の75%が、「三つ以上のクラウド環境を有している」と、デル・テクノロジーズでSEチームを率いる藤森綾子上席執行役員は指摘する。そこにオンプレミス環境とエッジコンピューティングが加われば、もはや混沌の域だ。そうした複雑化した IT環境を解消する「マルチクラウド戦略」は、企業の未来をどのように変えるのだろうか。
DXが企業の喫緊の課題となって久しい。2018年に経済産業省は「DXレポート」を発表し、「2025年の崖」と題し、レガシーな基幹システムの老朽化によりデータ活用がストップし、25 年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があると警告。その2年後の「DXレポート2」でも、DX未着手/途上企業が全体の9割を占める現状を報告している。
そこからさらに2年以上の月日がたち、コロナ禍という特別な状況を経た国内企業は、リモートワークの普及もあり、DXを加速させているように見える。
ところがハードウエアメーカーとして、数々の基幹システム提案を手掛けてきたデル・テクノロジーズ(以下、デル)でシステムズエンジニアリング統括本部長を務める藤森綾子上席執行役員は、まだまだ“崖から落ちる”可能性はあると警告する。