DX推進を阻むデータの混沌はマルチクラウドのシンプル化で劇的に解消する

 その理由は、複数のクラウド、既存システムやストレージ、爆発的に増えるエッジ環境のサイロ化により、DXの肝となるデータのサイロ化が起きるからだという。

「それらのクラウドサイロによる煩雑性を排除し、データを最大限活用できる環境を構築しない限り、2025年の崖は不可避です」

 今回はそうした混沌環境をマルチクラウドによってシンプル化し、企業の真のDXを実現するデルのマルチクラウド戦略とその中心となる「Dell APEX(以下、APEX)」について、藤森上席執行役員に聞いた。

DXのためのクラウドがDXを阻害する

「国内企業のDXは、コロナ禍をきっかけに急ピッチで進みました。その中で利用促進されたのが、アマゾンのAWS、マイクロソフトのAzureなどに代表される、パブリッククラウドです。豊富なサービスと手軽にDXを進められることから人気を博しましたが、そこから生じる問題もありました。

 現在90%の企業が、パブリッククラウドとプライベートクラウドのハイブリッド環境であり、そのうち75%が、“三つ以上のクラウドを使用している”状態にあるのです」

 その何が問題なのか。藤森上席執行役員は、以下のように説明する。

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