有線と同等の信頼性
LoRa無線

 パルモスマートコールは、それまでの有線接続のナースコールを無線方式の呼び出しボタンに置き換え、施設全体をWi-Fi化することで、スマートフォンなどの機器をリアルタイムで制御・共有できるワイヤレスナースコールである。開発者のiSEED井澤庄次社長は、東芝グループ出身の技術者で、最新のICTを駆使して超高齢社会に貢献しようと2014年に同社を起業。これまで見守りテレビ電話など、斬新な介護福祉製品を開発してきた。

iSEED
井澤庄次
代表取締役社長

「パルモスマートコールの特長は、長距離通信が可能なLoRa無線を搭載していること。LoRa無線は新しい国際基準の無線方式で、これまでの無線と比較して3、4倍の通信距離まで届き、障害物を回り込む特性を持っています。ボタン電池で2~3年持つ低消費電力で、有線と同等の信頼性を実現しています」と井澤社長は説明する。

 無線式なので施設に配線を巡らせる必要がなく、Wi-Fi工事も基本的に天井などへの機器の設置のみなので、工事費と工事期間を大幅に削減できる。また配線レスのため呼び出しボタンは居室やトイレなどの好きな場所に設置が可能で、レイアウトフリーなのも大きな魅力だ。

 もう一つの特長は、スマホを活用することでスムーズなスタッフ間連携が可能になること。スマホで呼び出しを受信して「対応開始」を押すと、即座に統合コントローラーや他のスマホと共有され、誰が対応しているかが表示される。これによって駆け付けの重複を防ぐことができる。また業務を完了すると呼び出しコールが消えていくため、複数発生時のコール対応忘れを防止することができる。さらにスマホが内線・外線電話端末になるため、スマホの通話機能でスタッフ間の連携を図ることが可能。もはやナースコールもデジタルの時代なのだ。