Tableau 製品戦略責任者が語る
BIプラットフォームの現在地点と未来像
2人目のスピーカーとして登壇したのは、Salesforceの米国本社で、Tableau事業のシニアバイスプレジデントおよびゼネラルマネージャーを務めるPedro Arellano氏(以下、アレヤノ氏)だ。アレヤノ氏は、Tableauに入社して以来25年間、BIそしてデータアナリティクスの仕事に従事してきたことを紹介。その25年間が、BIプラットフォーム発展の歴史そのものだったと振り返った。その歴史の中においてTableauは、BI、データアナリティクスの業界の変革をけん引し、現在のように多くの人がデータを扱えるステージへと引き上げた。そうした背景をおさらいした上で、この業界で今起きていることに言及した。
「私たちは今、気候、経済、コロナなどビジネスの成長を妨げる多くの課題に行く手を阻まれています。アナリティクスは組織にとって、こういった大変な時代を乗り越えるための羅針盤となります。ただ、およそ83%
このギャップについてアレヤノ氏は、「最も重要な原因は、インサイトからアクションに至る部分が連携していないことにある」として、次のように指摘する。
「数字あるいはKPI(重要業績評価指標)は見えた。ダッシュボードもできた。そこでデータアナリティクスのジャーニーが終わりになってしまっています。せっかく得たインサイトを具体的なアクションにつなげるには、他のメンバーや別の部門とやりとりをしなければいけない。あるいは別のシステムを使って別のワークフローを立ち上げなければいけません」
アレヤノ氏は、この課題を解決しなければ、アナリティクス業界の未来は開けないとした。そして、インサイトからアクションへと導くためにTableauが手を差し伸べ、プロフェッショナルだけでなく、より多くの一般ビジネスユーザーが自由にデータを活用できるデータアナリティクスの世界を実現したいと同社のビジョンを披露した。さらに、現時点よりも数段多い億単位のユーザーが集まるデータコミュニティーを実現したいと付け加えた。
「Tableauとグループを同じくするセールスフォースは2022年9月、『Salesforce CDP』のアナウンスをしました。これはSalesforceに収容されている顧客データをリアルタイムかつハイパースケールの次世代型データベースとして集約するサービスですが、Tableauの技術を基盤としています」
このSalesforce CDPでは、人事、ファイナンス、サプライチェーンなど、Salesforce以外のデータソースも外部から取り込み統合することを想定しており、洗練されたアナリティクスを一貫したデータの世界観の中で行えるという。アレヤノ氏はこう補足する。
「例えば、アクションフレームワークによって他のワークフローエンジンとの連携も可能です。ユーザーは受け取ったインサイトから、システムの切り替えやコンテクストの変更なしに、別のシステムのワークフローとの連携の下で、キャンペーンのローンチやオファリングを実行できます。今後、BIやアナリティクスは、『ドメインを意識したアナリティクスのプラットフォーム』によってさらに大きく可能性を広げていきます」
Tableauは今後、BIプラットフォームからドメインを意識したアナリティクスプラットフォームへとさらに進化する。そして、あらゆるシステムやアプリケーションを通じてビジネスユーザーとつながり、インサイトからアクションまでをシームレスにサポートしていく。そんな世界がすぐそこまで来ていることを、はっきりと示すミーティングとなった。
Tableau ウェビナー 2023「進化する分析とBIの今後の展望および Tableau ロードマップ」
https://www.tableau.com/ja-jp/events/ondemand-tableau-product-strategy-2022
セールスフォースのUS本社のTableau製品戦略責任者が、データドリブンカルチャーの重要性、進化するアナリティクスとビジネスインテリジェンスの今後の展望、そこにおけるTableauの製品ロードマップについて紹介。また、先日アメリカで開催されたWorld Tour New Yorkにて紹介されたSalesforce CDPとTableauの連携による強化されたリアルタイム・アナリティクス、AIの活用によるより適切な意思決定、インサイトに基づくコラボレーションとアクションについて、デモンストレーションをご覧いただけます。