旭化成グループの住宅領域の中で、不動産・都市開発部門を担う旭化成不動産レジデンス。マンションの建替えで国内トップクラスの実績を誇っているが、それを支えているのが同社のシンクタンク「マンション建替え研究所」だ。豊富な知見を蓄積し、マンション管理組合をはじめ、地域・行政に対する建替えの有効性など、多角的な情報を発信している。

「マンションは築40年を過ぎると建替えが視野に入ってきます」と話すのは、旭化成不動産レジデンスマンション建替え研究所の重水丈人(しげみずたけひと)所長だ。

 築40年を過ぎたマンションは、大規模修繕では対処できない不具合が目立ち始め、住人の高齢化に伴うバリアフリーニーズの高まり、さらには旧耐震基準であれば耐震性不足による危険度の高まり、老朽化による資産価値の大幅低下などが問題になる。

 ところが、区分所有者の合意によって建替えを決める「建替え決議」には、多数の賛成(区分所有法が定める要件は、区分所有者および議決権の5分の4以上)が必要となる。そのためなかなか話がまとまらず、いたずらに時間だけが経過していくケースが多い。国土交通省によれば、築40年以上のマンションは2021年末時点で約115・6万戸。それが20年後の41年末には425・4万戸に積み上がる。建替えを実現したマンションは、22年4月1日時点で準備中も含めて316件にすぎない。