つまり、それほどに建替えは難しいのだが、旭化成不動産レジデンスの建替え実績は01年、多くのデベロッパーが提案しながら実現しなかった「同潤会江戸川アパートメント」を「アトラス江戸川アパートメント」に建て替えた事例を皮切りに、「23年1月に着工した六甲ニューライフまで、47事例49マンションの建替え実績があります」と同研究所の花房奈々副所長は胸を張る。
この高い実績を支えているのが、「マンション建替え研究所」の存在なのである。
同研究所は、社会的課題である高経年マンションの建替えに資することを目的として、11年4月に設立された。
「江戸川アパートメントの建替えを手掛けた頃は情報が少なく試行錯誤が続きました。そこで建替えに携わる専門家として、世に情報を発信する必要があるのではないかと考えたのです。当研究所は、検討の初期からサポートを行う過程で幅広く蓄積してきた情報を集約・分析し、課題の抽出を行い、定期的に広く情報発信することが大きな存在意義です」(重水所長)
建替えを検討する管理組合向けはもちろん、「建替えに関する調査研究レポート」の発行やセミナー、ワークショップなどを開催して国や自治体、業界などに幅広く情報を提供している。