「みどりの食料システム法」に基づく全国で初めての農業者認定

第2回: 「みどりの食料システム戦略」の実現を支える生産現場の声全国で初めて「みどりの食料システム法」に基づく農業者の認定を受けたクサツパイオニアファーム(滋賀県草津市)の中山欽司代表取締役 

 2020年時点で、国内には2万5200ヘクタールの有機農業耕作地がある。全耕作地に占める割合は0.6%だが、「みどりの食料システム戦略」ではこれを、2030年には6万3000ヘクタール、2050年には100万ヘクタール(耕地面積の約25%)にまで拡大する意欲的な目標を掲げている。「自然の力で育てられた農作物」への消費者の関心は強く、また「有機農業を実践したい」と就農を目指す若者も多い。

「みどりの食料システム法」に基づき、「基本計画」を策定した都道府県により「環境負荷低減事業活動」の計画を認定された農業者は、税制や融資面における支援措置を受けられる。全国の都道府県で真っ先に基本計画を取りまとめたのが滋賀県で、さらに全国で初めて同法に基づく農業者の認定を受けたのがクサツパイオニアファーム(草津市)と中道農園(野洲市)だ。

 クサツパイオニアファーム(https://www.pioneerf.co.jp/ 以下、KPF)の中山欽司代表取締役は、「全国第1号の認定はうれしいものですし、今後、取り組みを進めていく上で自信になります。創業者が有機農業に取り組み始めてから22年。『みどりの食料システム戦略』が策定され、ようやく自分たちの取り組みに対する追い風を感じています」と語る。