持続可能な社会で企業が淘汰されないために

持続可能な世界をオフィスからつくる──プリンターのリーディングカンパニーがサポートする企業のCO2削減エプソン販売 DX推進部(グリーンモデル推進) 課長 柴崎崇 氏

「エプソングループは『環境ビジョン2050』で、日本政府が2050年に目指すニュートラルを超えるカーボンマイナスと地下資源消費ゼロを宣言、環境への積極的な取り組みを打ち出しています。22年9月に策定したパーパスでは、「『省・小・精』から生み出す価値で人と地球を豊かに彩る」を定め、環境問題へのアプローチがエプソングループの存在意義の一つであることを、広く社内外に示しました」

 そう語る柴崎氏は、エプソン商品を通じてお客様や販売店様の声に真摯に向き合ってきた営業経験を経て、2022年4月に新設されたDX推進部(グリーンモデル推進)に転じた人物だ。

「企業にはこれまでお客様に価値を提供することで利益を生み出し納税をする、いわゆる経済的貢献が求められてきましたが、『持続可能』という観点ではそこに社会的貢献と環境的貢献も求められるようになってきました。そして今後、企業はその三つの貢献度合いによって、地球にとってなくてはならない事業を行う企業と、地球の邪魔をしないで事業を行う企業、地球にとって邪魔な事業を行う企業の3つに選別されます。売上・利益は拡大しているが同時にCO2の排出量も増大している企業は今後、環境的な貢献がない“邪魔な存在”として淘汰されてしまう可能性が大きいため、改めて自社の事業を社会的・環境的な観点からどう貢献できるかを考え直す必要があると思います。

 しかし現実を見ると、中小企業をはじめとする多くの企業が、環境対応に思うように取り組めていないのが実態です。そこでそういった企業が環境対応における困りごとの数々を相談できる、受け皿をつくるべきだと考えました。

 環境に対してうまくアプローチできていない企業に対して、脱炭素社会において企業が求められていることをきちんとお知らせして、適切なソリューションを提供していくこと。それがDX推進部(グリーンモデル推進)の役割です」(柴崎氏)

 そのアクションを具現化するのが、22年11月から始まった「環境/DXに関するアセスメントサービス」だ。このサービスは、企業の環境・DXに関する自社の取り組み状況を把握することから始まると柴崎氏は説明する。すでに約20社にサービスを提供しているという。

「まず実際に企業側との面会を通じて、環境とDXに関する各30問の設問を投げ掛け、ヒアリングしていきます。そのヒアリング結果を基に、企業の環境対策への理解度や対応状況を可視化し、業種・業態・上場/非上場に応じて、今何をすべきか示したレポートをお届けします。

▼サービスの流れ

 また、環境対応の実行策に関しては、コンシェルジュとして、私たちが豊富な他社事例とともに提案させていただきます。たとえ『どこから手を付けていけばいいかわからない』という状態であっても、環境戦略の構築からサポートすることが可能です。

 ただ、環境貢献を優先し、企業活動の本質である利益が損なわれてしまっては元も子もありません。そこで企業の利益体質の強化に向けたDXも組み合わせたソリューションを提供させていただいているのです」(柴崎氏)